イスラエル北部沖で3千年前の難破船発見 航海技術の通説覆す?
イスラエル考古学庁は20日、イスラエル北部沖約90キロの地中海の海底で3千年以上前のものとみられる木造難破船が見つかったと発表した。青銅器時代の船がこれだけ沿岸から離れた場所で見つかったのは初めてといい、当時の航海技術が、これまで考えられていたよりもかなり高度だったことを示す発見という。AP通信などが報じた。 報道によると、天然ガス田開発のためにこの海域を探査していた企業が昨年、水深約1800メートルの海中で沈没船を見つけた。 考古学庁担当者は、船は嵐などに遭って難破したか、海賊に襲われるなどして沈没したとみている。船に大きな損傷はなく、ワインやオリーブ油の貯蔵などに使われた水差し数百個などの積み荷も見つかった。 これまでの研究では、この時代の船は目視で陸地を確認しながら、海岸近くを航行していたと考えられていた。今回の船の発見により、太陽や星の位置を頼りに、航海をしていた可能性がでてきたという。(岩田恵実)
朝日新聞社