ロシア産LNGを米国産に切り替え EU、トランプ氏に提案
【AFP=時事】欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長は8日、EUが輸入している液化天然ガス(LNG)について、ロシア産から米国産に切り替えることをドナルド・トランプ次期米大統領に提案したと明らかにした。ハンガリーの首都ブダペストで行われたEU非公式首脳会議後の記者会見で述べた。 【写真】「綿花を摘め」全米の黒人に人種差別的なメッセージ トランプ氏当選後 大統領選で外国製品に高関税を課すと公約していたトランプ氏が勝利したのを受け、EUとしては、最大の同盟国である米国との有害無益な貿易戦争を避けたい考えがあるとみられる。 フォンデアライエン氏は7日のトランプ氏との初めての電話会談について、EUが「共通の利益」に関してトランプ氏と交渉したのは「非常に重要だ」と指摘。「共通の利益とは、例えば、話題の一つであり、議論したとまでは言えないが、LNG全体の話題だ」と続けた。 さらに、欧州は依然として「ロシア経由で大量のLNG」を輸入しているとした上で、「それを米国産LNGに切り替えたらどうだろうか。欧州としては米国産の方が安価で、エネルギー価格も下がる」と主張。 この問題は、EUの対米貿易黒字との関連でも議論できると述べた。 トランプ氏は選挙戦で、すべての輸入品に10%以上の関税を課すなどの公約を掲げていた。その狙いは、「長年にわたり米国を搾取」していた国々を標的とし、米国の貿易赤字を削減することだと主張している。 ロシアが2022年にウクライナに侵攻して以降、EUは米国産LNGの輸入量を増やしているが、ロシアからのエネルギー輸入を完全に断つことはできていない。【翻訳編集】 AFPBB News