3連敗で借金「2」を抱えた金本阪神のなぜ?
ルーキーには酷だったのかもしれない。 阪神のドラフト5位の青柳晃洋(22)が8日、QVCマリンのロッテ戦に先発、毎回走者を背負う苦しいピッチングで、5回をまたず、6安打、4四死球、6失点で途中降板した。打線も7安打13残塁のタイムリー欠乏症でロッテの同じくドラフト2位の関谷亮太(25)を攻略することができず、3-8で大敗、青柳にプロ1敗目がついた。青柳は、1日の楽天戦で横山に代わり急遽、代役先発。5回を3安打1失点に抑えて、プロ初登板初勝利を手にしていた。だが、4盗塁を許すなど、サイドハンド投手の宿命とも言えるクイックができない、癖が出る、細かいコントロールがない、など他球団のスコアラーに大きな弱点をさらけだしてしまっていた。 たまたま“12球団最弱の楽天打線”を変則スタイルで戸惑わせ抑えることはできたが、本来ならば、まだ1軍でローテーションに入ることのできる実力と最低限のスキルを身につけていなかった。 だが、横山はまだ間に合わず、ファームで調整中の岩田はミニキャンプに突入するなど、代わりの先発候補がみつからない状況のため、クイックや癖修正などの突貫工事を行って、この日、2度目の先発マウンドに上がった。だが、初回にいきなりエンドランを仕掛けられ揺さぶられるなど、初勝利の勢いだけで2戦目も通用するほど甘くはなかった。この日、クイックは1秒08をマーク。西武の牧田並みに改善していたが、そうなると、投球を急ぐばかりに球威も落ち制球も乱れた。 バッターの背中を通すようなとんでもない制球ミスまであって、よく6失点で留まったという内容。サイドハンドの課題である左打者対策もできておらず、鈴木大地ら左に、いいようにやられた。 試合後、青柳は「課題の制球もできていませんでしたし、左バッターも課題でしたが、打たれてしまいました」と反省しきりだったが、ファームでは主に中継ぎ起用で、80球を超えるとガタっと球威が落ちるなど克服のできていない課題をもったまま、1軍ローテーションに入れてもらったのだから、続けての好結果を求めるのは無茶だった。