大阪・松井知事と吉村市長が会見(全文1)広域行政の二元化はありえない
IR、大都市制度について
吉村:大阪市長の吉村です。本日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。統合型リゾート、IRの立地推進の取り組みについて説明させていただきます。現在、万博の会場でもある夢洲において、2024年度の開業を目指して、府市一体でIRの立地を推進しています。先日、大阪IRの目指す姿、大阪IR基本構想(案)を取りまとめました。世界最高水準の競争力を備えたMICE施設やエンターテイメントなど、魅力あふれるIR施設を実現して、都市の魅力と国際競争力を向上させて、大阪、関西の持続的な成長につなげていきます。 次に、新たな大都市制度の実現についてお話をします。イメージ図ですけども、今、皆さんの手元にあります、国際都市大阪が目指すべき未来像をお示しをしています。大阪の成長、発展を確かなものとして世界に貢献していくためにも、大都市制度改革に道筋を付けたいと考えています。府市連携による改革、万博やG20の誘致の成功というのは、知事と市長が同じ方向でマネジメントできたからこそ実現できたものです。持続的な成長に向けて今後も同じ方向でマネジメントをしていくためには、人間関係に依存しない制度的な担保が不可欠です。 世界の大都市は、産業政策や交通インフラ整備、さまざまな広域行政でしのぎを削っています。ロンドンや東京では広域機能が一元化されて、世界と競争できる組織としてつくり上げられています。しかし、大阪ではそれが制度的に実現できていません。 先日、東京の小池都知事がこちらで東京の大きな方向性について会見されたと思います。東京は、都知事1人でそれをすることができます。しかし、今日、僕と知事が2人でいるように、大阪においては2人が半人前のような組織になっていて、一人前の成長戦略をする組織がつくり上げられていない、この制度的な担保をぜひ実現したいというのが大都市制度改革の本質です。 かつて大阪府、大阪市が、それぞれ違う方向で施策を展開する二元行政の状態が続いて、大阪の成長と発展を阻害してきました。今は僕と知事が人間関係で同じ方向を向いていますけども、これを将来の制度として担保するためには、府市を再編して広域機能を一元化する必要があります。私と知事は2015年、新たな大都市制度、都構想を実現するために住民投票実施を公約に掲げ、そして、知事・市長のダブル選挙に当選をいたしました。その実現に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。 今日、ご説明した大阪万博、G20サミット、IR、全て府市一体の事業で初めて成功するという事業でもあります。大阪が本来持っている力を発揮するために、府市の再編、都構想というのを実現するのが、大阪の大きな課題であり目標だというふうに認識をしています。参考資料としまして、大阪のポテンシャル、新たな大都市制度の検討に関する資料というのを整理しています。後ほどご覧いただければ幸いです。ご清聴ありがとうございました。 司会:ありがとうございます。では、これで質疑応答に入ります。まず、所属とお名前のほうからお願いいたします。