【NBA】セブンティシクサーズを率いるニック・ナース、自身の出世街道の起点となった地へ凱旋「こんな機会は滅多にない」
アイオワ州デモインでプレシーズンゲームを開催
ティンバーウルブズのプレシーズンの予定で、最後まで決まらなかったのがアイオワ州デモインで行われるプレシーズンゲームの相手だった。そこでクリス・フィンチはニック・ナースに電話を掛けた。2人はかつて、ラプターズのヘッドコーチとアシスタントという間柄で親交が深い。ナースがアイオワ出身で、そのコーチキャリアがノーザン・アイオワ大の学生コーチから始まり、かつてウルブズ傘下のDリーグチームだったアイオワ・エナジーで指揮を執ったことも知っていた。 「Gリーグのコーチとしてデモインで過ごした時期が彼のキャリアにどんな意味を持っているのか、私は知っていたんだ」とフィンチは言う。実際、ナースはすぐに招待を受け入れ、デモインでのウルブズvsシクサーズが実現した。 ナースがウルブズに籍を置いた経験はないが、ヨーロッパで長くコーチ業をやっていた彼にアメリカのプロチームで最初にチャンスを与えたのが2007年のアイオワ・エナジーだった。4シーズンで132勝85敗と勝ちまくったのを機に彼の評価は上がり、2013年にラプターズのヘッドコーチに就任することになった。ラプターズでの11年間で彼はNBA優勝を勝ち取り、NBA屈指の戦術家としての名声を勝ち取った。 アリーナには1万5000人の観客が集まったが、ナースによれば「100人以上は私の友人や知人」とのこと。「試合前にMVPルームをいくつか回って、いろんな人に挨拶しなければいけなかった。そのためにかなり早くに会場入りしたのだが、試合開始までずっと忙しかったよ」 それでも彼にとって、アイオワへの凱旋は大いなる喜びだ。「こうやって古巣に、NBAチームを率いて戻って来る機会は滅多にない。良き友人、フィンチが誘ってくれたことに感謝しなければね。我々も試合相手を探していてちょうど良かった。こうしてこの場所に戻って来ることができて、本当にうれしい」とナースは言う。 シクサーズから見れば、この試合はポール・ジョージがフリーエージェントで加入して初めてプレーした試合としての意味合いが大きい。ジョージは先発出場で26分プレーし、23得点8リバウンド2アシストと持ち前のオールラウンドな能力を発揮している。 それでもジョージは、この日の主役がナースであることを理解しており、「ご覧の通り、彼はここで尊敬を集めている。それは良い仕事を積み重ねてきた結果だ」と語る。タイリース・マクシーも「彼にとって素晴らしい一日になっただろうね」と喜んだ。「NBAチームのヘッドコーチとしてお世話になった場所に帰って来るなんて素晴らしいこと。ここの人たちが示す彼への愛情を見ることができて良かったよ」