ボーダーラインは年利3%!?「新NISA」で保有しておきたい“高配当銘柄”3選【メガバンク出身の大人気YouTuberが解説】
配当利回りが高い銘柄を選んで組み入れる高配当株投資。比較されることの多いインデックス投資との違いやおすすめの高配当銘柄を紹介します。メガバンク出身の資産運用YouTuberで、ちゃんねんる登録者数70万人超を誇る小林亮平氏の著書『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)より、詳しくみていきましょう。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
インデックス投資だけはもったいない?「高配当株投資」の面白味
新NISAで選びたい銘柄として、高配当株投資についても知っておきましょう。 初心者の方には少し難しい内容も含まれますが、簡単に言えば、投資額に対して、毎年だいたい3%くらいのお金がもらえるイメージです。 たとえば、10万円を高配当株に投資したら、毎年、税引き前で約3,000円(年4回分配なら1回あたり750円程度)が手に入ります。 インデックス投資と高配当株投資はよく比較されますが、インデックス投資は市場の平均点を示す指数と同じ値動きを目指し、長期の値上がり益を狙う投資方法でしたよね。インデックス投資では基本、配当金はありません。 一方、高配当株投資は金の卵を産むニワトリを持つイメージで、成熟した企業などの配当利回りが高い株式を選ぶことで、多くの配当金を狙う投資です。 高配当株投資ですとやはり米国株が人気で、株主還元に積極的な企業が多いと言われます。たとえば製薬・医療機器などで有名なジョンソン・エンド・ジョンソンや、コカ・コーラやアクエリアスでお馴染みのコカ・コーラは、なんと60年以上連続で配当が増える増配を実現しています。 なお、高配当株投資といっても、投資する銘柄の株価が上昇すれば、配当金とは別に値上がり益も享受できます。 また、インデックス投資を行うためのインデックスファンドは、新NISAのつみたて投資枠でも成長投資枠でも選べますが、高配当株は基本、つみたて投資枠では選べず、成長投資枠で選択することになります。
高配当株投資のメリット・デメリット
高配当株投資は株式であれば配当金、投資信託なら分配金を受け取れますが、その最大のメリットは、定期的にお金をもらって投資を楽しく続けられることでしょう。 高配当株投資は私も長く続けていますが、3ヵ月に一度などの頻度で配当金がもらえるのはとても嬉しく、投資を続けるモチベーションになります。 一方のインデックス投資は基本、配当金がないため、売却しないと現金化(利益の確定)ができず、運用中は実質的に手元からお金が出ていくことになり、投資を続けるのが苦行と感じる時もあるかもしれません。 また、高配当株投資は将来的にいつ売却するかという出口戦略をあまり考える必要がないのもメリットでしょう。 売却せずに保有を続けていれば、定期的に配当をずっと受け取ることができるので、売却時における株式相場の下落などの心配も基本、不要となります。私は後ほど紹介するVYMに投資していますが、自分が亡くなるまで生涯保有を考えています。 一方、インデックス投資だと配当金がないこともあり、将来的にいつ売却して現金化するかの出口戦略を考える必要があります。 ただ最近は各金融機関で、投資信託を毎月いくら売却するなどの設定で、自動で売ってくれる定期売却サービスも普及し始めています。 そのため、インデックス投資の出口戦略も比較的考えやすくはなっていますね。 次に、高配当株投資はもちろんメリットばかりではないので、投資信託の分配金を例に、デメリットについても詳しくお話しします。 分配金は運用によって得られた収益を、一定期間おきに投資家へ支払う仕組みです。 分配金のもとになるのは、株式の配当金や、株式を売買したことで得た売却益などですが、3ヵ月に一度などの頻度で私たちはお金を受け取ることができます。 ただし注意点として、分配金は無限に湧いてくるものではなく、投資信託に集まって運用されている資産(純資産総額)から支払われるため、投資信託の値段である基準価額も下がる要因となります。 「基準価額=純資産総額÷口数(単位)」なので、分配金により純資産総額が減ると、ひいては基準価額も下がるというわけですね。 このように分配金は投資信託の基準価額を下げるデメリットがあることは、必ず知っておきましょう。分配金を受け取ることで複利効果が弱まってしまうのです。 そのため、eMAXIS Slimなどの人気インデックスファンドは、過去に一度も分配金が支払われていませんが、それだけ複利効果が効いて、将来の基準価額の上昇が期待できるとも言えます。 ちなみに、受け取った分配金を再度、新NISAへの投資に回すこともできますが、その際は非課税枠の消費になってしまうのでおすすめはしません。 配当がすぐには不要という人は、高配当株ではなく、インデックスファンドを選ぶのがいいでしょう。