次期総裁選へ自民中堅・若手アピール 平成24年当選議員の「いいくに会」が総会
平成24年の衆院選で初当選した自民党議員で作る「いいくに会」が19日、党本部で総会を開いた。メンバー74人のうち約50人が出席し、総裁選への出馬を目指している茂木敏充幹事長を講師に招いた。23日の通常国会閉会後、秋の総裁選を見据えた党内の動きが活発化することを踏まえ、中堅・若手の存在感をアピールする狙いがある。 【一覧】主な「ポスト岸田」候補 「いよいよ反転攻勢だ。自民党がどん底の中から国民の期待に応えられるような政党に生まれ変わっていくべきときが来た」 会長を務める大西英男衆院議員は総会で、同日の改正政治資金規正法成立を受け、こう強調した。 安倍晋三総裁率いる自民が政権復帰を果たした24年衆院選の初当選組は、「安倍チルドレン」と呼ばれる。追い風に乗って初当選したものの地盤が弱い議員も多く、当初の119人から74人にまで減った。 メンバーにとって、派閥パーティー収入不記載事件による自民への逆風は経験のない強さで、危機感を募らせている。 関係者によると、総会では出席者の一人が「色々なチャレンジャー(候補)が意見をぶつけ、国民の思いを全て受け止めているのは自民党だといえる総裁選をやってほしい」と茂木氏に注文した。茂木氏も「政権奪還前の(24年の)総裁選は5人の候補者が各地で遊説した。できるだけ議論が盛り上がる状態を作ることが必要だ」と述べたという。 若い人材をアピールするため、24年初当選組の中では同期の小林鷹之前経済安全保障担当相の擁立論も浮上している。 茂木氏の総会出席に関しては「総裁選(での支持獲得)に向けた若手への秋波」(自民中堅)とみる向きもある。茂木氏が総会で将棋の話をしている最中、後方に座る小林氏に話を振る場面もあったといい、出席者の一人は「意識しているようだ。ライバルだと思っているのかな」と語った。(永井大輔)