「サッカー人生で一番難しい」スパルタ三戸舜介が出番激減で直面する厳しい現実。それでもなぜポジティブに前を向けるのか「まずは自分を救いたい」【現地直撃】
「そんな簡単なことじゃないよな、というのは思いました」
スパルタのスタープレーヤーだった斉藤光毅も、ロンメル(ベルギー)から移籍してきた当初はスタイン監督(スパルタ1期目)から強度を高めることを求められた。 「そうだと思います。光毅くんもいま、QPR(イングランド)でスタメンとして出てますが、チームで一番走行距離が長いんだそうです。スパルタの監督(スタイン)から『走ることを要求されて培ってきた』と言ってたので、まずは自分ももっと走れるようにならないと。今の監督は、前の監督より縦に速い(サッカーを志向する)感じがあるので、そこに付いていくためには自分がフィジカル面でもっと強くならないといけないと思ってます」 三戸がJリーグのベストヤングプレーヤー賞に輝いたのは、ちょうど昨年12月4日のことだ。 「この一年、人生初の移籍があり、ヤングプレーヤー賞ももらって、オリンピックもあり、すごく自分のなかで変化しまくり(笑)。変化ばっかりのシーズンでした」 ――こっちに来てすぐスタメンでゴールを決めましたものね。 「そこもビックリしました。だからこそ『最初のほうは出られていたのにいま、自分はなんで出れてないんだ』と考えることも以前はありました。大変な一年でした」 チームはいま、ひとつの引き分けを挟んで7連敗中。降格圏の16位に位置している。 「チームもちょっとまずい状況なので、自分がチームを救いたいですけれど、まずは自分を救いたい。試合に出れてないのでメンタル的に落ち込むこともあります。そこで落ちたらそこまで、というのはあります。だからちょっとポジティブに考えながら元気にやってます」 目標は変わることなく、「早くステップアップする」ことだとはいう。しかし、その「早く」とは「この冬に絶対」という意味ではない。 「まずは焦ることなくスパルタで主力に定着して、オランダリーグですごく活躍して、というのを(心がけたい)。そんな簡単なことじゃないよな、というのは思いました」 三戸の「未来の自分」は、この怒涛の一年があってこそ――。そう信じてやまない。 取材・文●中田 徹
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