鹿児島の秋彩る「おはら祭」踊り連に参加基準…昨年は旧統一教会参加で苦情、振興会が新たに規約
鹿児島の秋の風物詩「おはら祭」を主催するおはら祭振興会は、踊り連への参加基準を定める規約をつくった。昨年の祭りに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の踊り連が参加し、事務局を務める鹿児島市に苦情が相次いでいた。28日に開いた総会で明らかにした。(横峯昂) 【動画】秋の風物詩「おはら祭」本まつり…鹿児島市、4年ぶりの通常開催(2023年11月)
おはら祭は1949年から開催されており、民謡「おはら節」などに合わせて、同市中心部・天文館一帯を踊り歩く「総踊り」が見所として知られる。昨年11月の総踊りには、178連約1万4000人が参加した。
同市観光振興課によると、昨年は教団側から約70人の申し込みがあり、市役所前などで約1時間、踊りを披露した。その後、市には苦情や問い合わせが37件寄せられた。振興会はチラシの配布といった宣伝活動は禁止していたが、踊り連の参加基準を定めた規約は設けていなかった。
振興会は踊り連のあり方について協議を開始。今年3月に開いた常任理事会で、暴力団など反社会的勢力のほか、広告や企業・団体などのPR目的、振興会が参加をふさわしくないと判断した場合は参加を制限できるとする規約を新たに設けることが承認された。
振興会長を務める同市の下鶴隆央市長は、規約を定めた理由について、「時代が多様化する中、市民に喜んでもらうという原点に立ち返るため」と説明。「参加申し込みのあった団体が規約に適合しているかを振興会で判断していく」と述べた。
総会では、夜まつりが11月2日、本まつりは同3日とすることも決まった。踊り連の募集は7月1日から8月31日まで。