《衆院選2024》茨城5区 浅野哲氏 北関東の牙城死守
国民前職の浅野哲氏が自民前職の石川昭政氏との接戦を制し、前回に続く小選挙区での勝利で3回目の当選を飾った。 浅野氏は日立製作所労組出身。産別の電機連合や連合茨城など労働界の全面支援を受け、組織力を生かして選挙戦を優位に進めた。2期目の3年間で若手経営者や子育て世代の女性らと勉強会を重ねるなど組織の外にも支持を広げ、地域に浸透した。 「政策で勝負したい」と臨んだ今回の選挙戦。演説では自民の裏金問題よりも、暮らしに直結する経済政策や県北地域の未来像に多くの時間を割いた。「国民のための政治を取り戻す」との訴えが幅広く受け入れられた。 党本部も、労働界が長年議席を守り続けてきた茨城5区を「北関東の牙城」と重視。幹部が相次いで応援に入り、浅野氏の地盤固めを手厚く支えた。 【略歴】党県連代表、第5区総支部長。当選3回元議員秘書、日立製作所日立研究所研究員。青山学院大大学院修了。日立市鹿島町 ■浅野氏 笑顔3選 石川氏「私の力不足」 5区の国民前職、浅野哲氏(42)は前回に続いて小選挙区で勝ち上がり、3回目の当選を果たした。 日立市幸町の労組事務所には100人以上の支持者が集まり、午後8時過ぎに当選確実の一報が伝わると、大きな拍手と歓声が沸き起こった。 浅野氏は「働く仲間、企業や地域の皆さまと一つのチームになって当選できた」と感謝。「困っている方に手を差し伸べ、政治の目を向けていく。そんな正直で真っすぐな政治を実践していく」と力を込めた。 母体の日立グループ労組や連合茨城は最後まで引き締め、組織力を発揮した。選挙戦では「信頼と責任」を掲げて「声を一つ一つ形にしていく」と主張し、若年層にも浸透した。地道な活動を結果につなげた形で「掲げた政策実現に力を尽くす」と気を引き締めた。 自民前職の石川昭政氏(52)は自ら「かつてない厳しさ」と選挙戦に臨んだが、及ばなかった。日立市内のホテルで「厳しい結果になり、私の力不足の一言に尽きる」と深々と頭を下げた。
茨城新聞社