《ブラジル》自動車部品で世界を「つなぐ」矢崎ブラジル社 現地で活躍する日系企業の今(33)
アノテーションビジネスの開拓にも注力
矢崎グループは自動車業界の新たな潮流CASE(注2)に代表される未来のモビリティ社会の実現を支えるため、AIを活用した安全運転支援などの事業領域にも注力している。ブラジルでは日本・米国と共同してアノテーション(注3)ビジネスを開拓し、タトゥイ工場ではAIサービス開発の初期工程の作業を担っている。 世界各国で紛争、分断、格差拡大が絶えない中、世界のために分け隔てのない社会貢献に努め、今後はブラジルに暮らす難民も雇用する方針だ。また、カーボンニュートラルを目指して工場で使用されるフォークリフトをエンジン式からバッテリー式に切り替えるなど、地球環境との共存共栄を視野に「社会から必要とされる企業」であるために南米でも挑戦を続ける。(取材/大浦智子) 注1=11965年に制定された保税加工制度。メキシコで利用され始めた制度で、現在はパラグアイや他の国々でも利用され、パラグアイの工場が製品を生産し輸出することを前提として原材料・部品を輸入する場合、その原材料・部品に対するパラグアイの輸入関税が免除される。 注2=Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の意。 注3=AIの分析対象のデータに対して、機械学習に必要な各種情報を付与する作業。
★矢崎ブラジル社の概要
正式名称:Yazaki do Brasil Ltda./所在地:本社および事務所-サンパウロ市ほか他州に3拠点、工場-ブラジル各地に6カ所/設立年月:1997年/従業員数約8000名/事業内容:自動車用ワイヤーハーネスとメーターの製造・販売
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