中島啓太、首位と1打差の暫定6位「初日からいいスコアで回れてよかった」/国内男子ゴルフ
ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!第1日(25日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)欧州ツアーと日本ツアーの共催大会。濃霧で開始が2時間50分遅れたため、日没で72人が競技を終えられずサスペンデッドとなった。今季から欧州ツアーに主戦場を移し、初優勝を果たしている中島啓太(23)=フリー=が4アンダーの66で回り、首位と1打差の暫定6位につけた。5アンダーの65で回った清水大成(25)=ロピア=ら5人が同首位。獲得賞金は欧州、日本の両ツアーで加算される。 王者の風格が漂った。昨季日本ツアー賞金王の中島が、暫定首位と1打差で発進。凱旋(がいせん)試合を順調に滑り出し、胸をなでおろした。 「予選で落ちるわけにはいかないので、初日からいいスコアで回れてよかった」 10番から出て、4バーディーを奪って66をマーク。だが中島自身が評価したのは、ボギーなしで回ったことだ。11番(パー4)はティーショットを左の林に入れ、2打目はフェアウエーに戻すだけとなったが、ピンまで180ヤードの3打目を2・5メートルにつけてパーセーブ。「4つのバーディーよりも、ピンチでパーセーブできたことに価値がある」とうなずいた。 このオフは、プロ野球巨人の菅野智之投手(34)がハワイで行う合同自主トレに初めて参加。徹底的に肉体を追い込む姿を目の当たりにし「自分がどれだけやっても足りない。限界までやり続けるしかないと思った」と刺激を受けた。そこから、以前よりもトレーニングに注力。ドライバーの飛距離は昨年からキャリーで10ヤード伸びた。この日は「去年(11月の三井住友VISA太平洋マスターズ)はレイアップして(刻んで)いた」という18番(525ヤード、パー5)で、楽々2オンに成功。バーディーを奪って成長を示した。 3月の欧州ツアー「ヒーロー・インディアンオープン」で優勝。初日から首位を守り、日本勢5人目の同ツアー制覇を果たした。だが、2位と2打差で折り返した第2日終了時点では「緊張もあって体がフワフワしていた」という。その際、メンタルコーチのニール・スミス氏から「目の前の一打にコミットしよう(責任を持って取り組もう)」と助言を受け、精神が安定。この日もその言葉を毎ホールごとにつぶやき、落ち着いた。 「このままボギーなしでいくことはないと思うので、第2日以降も冷静に対応していきたい」。昨年12月以来となる国内での試合。中島が日本のギャラリーを熱くする。(鈴木和希)