「90年代のHIPHOPシーン」実際はどんな感じ? DJ MASTERKEY&DJ KROに聞く“試行錯誤の時代”
DJ HIRAKATSUからのコメント
ここではDJ MASTERKEYの後輩DJにあたるというDJ HIRAKATSUからのメッセージと質問を紹介した。 DJ HIRAKATSU:MASTERさんとの付き合いは恐らく25年前後になると思います。最初は西麻布にあった「ターミナル」というお店に遊びに行かせてもらい、そこで初めてお会いしました。MASTERさんの周りにはいろいろな人がいまして。そういう人に混じりレコードを運ばせてもらったのが最初だったではないかなと。初めてBUDDHA BRANDを知ったのは、みなさんがニューヨークから帰国したぐらいのタイミングですかね。 当時高校生だったDJ HIRAKATSUは、ファッション誌でHIPHOPの音楽情報を仕入れていたと語り、その際にBUDDHA BRANDを知ったと振り返る。その後はDJ MASTERKEYがDJをする店に通っていたそうで、「ライブでMASTERさんが“ネタもの”とかを次々とかけて、そのうえでみなさんがラップしていました。DJがアーティストのライブでDJとしての存在感をしっかりと見せるという部分がめちゃめちゃかっこよかったです」と、当時の印象を語った。 DJ HIRAKATSU:MASTERさんのすごさは、そういうところなのかなと。USのDJのスタイルをお手本にしながらも、日本的に「HIPHOPのDJはどうあるべきか」とか、そういうのを形にしていった人です。僕はパーティでDJしたりアーティストのライブのDJをしたり、昔はDJバトルに出たりとか、比較的DJのなかでいろいろなことをしてきたほうですが、すべてにおいてMASTERさんの影響は大きいのかなと思っています。 そんなDJ HIRAKATSUがDJ MASTERKEYに質問したいのは、子育てについて。「僕も絶賛子育て中ですので、DJとしてどういう父親像をお子様に見せてきたのかなと。世間的には少し特殊な仕事でもありますので訊かせてもらえたら」と質問を投げかけた。 あっこゴリラ:めちゃくちゃいい質問ですね。でもリアル、マジで訊きたいことですね。 DJ MASTERKEY:俺はこんなこと言うとあれですが、人の子を育てるなんてとんでもない話で。教育に対してなんてなにもないですよ。とにかくがむしゃらに。人を育てるというのは大変なことだと思うので、俺はそういう風に(やってきた)。まだ息子は学生で音楽もやっています。 KRO:めちゃいいですね。 DJ MASTERKEY:でも全然違う音楽をやっています。だから見ているのか見ていないのかわかりませんが、あまり言ったことないですね。たまに「こういう音楽聴いたほうがいいんじゃない?」と言うと「え、そうなんだ」と流されちゃいます(笑)。 あっこゴリラ:「好きなものをやればいい」ということなんですね。 DJ MASTERKEY:1回もなにも教えたことないけど、自分でギターを覚えて部屋に録音のやつとかいっぱい買い込んで自分でなにかやっていますよ。 KRO:セッションを見てみたいです。 あっこゴリラ:訊いてきたらなんでも教えるよ、という感じですよね。 DJ MASTERKEY:HIPHOPならね。ジャンルがちょっと違うので。