工具窃盗疑いの男性に無罪判決、防カメ画像が不鮮明「無視できない疑問」 京都地裁
京都市内の民家で工具を盗んだとして窃盗罪に問われた50代男性の判決公判が19日、京都地裁であった。西川篤志裁判官は「被告が犯人であることについて無視できない疑問がある」などとして、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。 男性は、1月24日午前1時半ごろ、伏見区の民家の駐車場で物置からびょう打ち機1セットを盗んだとして起訴された。 検察側は、民家に設置された防犯カメラに写った犯人の服装と顔の画像が、約25分後に男性が現場近くで警察官に職務質問を受けた際に着ていた服や、男性の顔に似ていることなどを理由に男性の犯行だと主張。男性側は身に覚えがないとして無罪を訴えていた。 判決理由で西川裁判官は、防犯カメラの画像について、犯人がマスクをしていたことなどから「顔画像鑑定の推認力はかなり限定的」と指摘。服装の画像も不鮮明で、現場付近に残された足跡も男性宅にあったサンダルのものとは断定できないとし、「被告が犯人であることについて合理的な疑いがないと立証されていない」と結論付けた。 京都地検の堤康次席検事は「判決内容を精査し適切に対応したい」とコメントした。