大型トラックにある「謎の小部屋」 室内はどんな感じ? 実は“快適”な空間!? どんな使い方が出来るのか
運転席の後ろではなく、2階で寝る?
大型トラックのなかには、運転席の上部に「寝室」を設定したモデルがあります。 これは、クルマの中で仮眠や休憩をとるためのものですが、内部はどのようになっているのでしょうか。 【画像】「えっ…!」 「謎の小部屋」が凄い! 意外と見れない内部がこれです!(32枚)
長距離輸送を担うトラックには、一部モデルでドライバーのための寝台が設けられています。 ドライバーはこの寝台で休憩したり車中泊したりしながら、荷物を運ぶことになります。 しかしなかには、トラックの2階に寝台を搭載するトラックも存在します。 トラックの運転席の空間を「キャブ」と呼びますが、このキャブの上部に寝室が設けられているモデルです。 多くのトラックではキャブの後ろ部分にベッドスペースが設けられ、ドライバーはそこで横になれます。 これに対し、少しでも多く荷物を積めるようにこのスペースを省きたい、という利用者の要望もあります。 そこで、ベッドスペースをなくし運転席空間を短くした「ショートキャブ」が用意されました。 その際、ドライバーの休めるスペースとして、キャブの上部空間が利用されることに。 なおキャブの上部には、風の抵抗を軽減する「エアデフレクター(風防)」というエアロパーツのようなものを設置することがあります。 このエアデフレクターを箱型にすることにより、内部に空間を設けて寝室としたのです。 現在、こうしたエアデフレクターによる2階建てトラックを販売している自動車メーカーは3社です。 いすゞは「マキシルーフ」の名称で、日野では「スーパーハイルーフ」、三菱ふそうトラック・バスでは「スーパーマルチルーフ」で展開しています。
たとえば、三菱ふそうでは、2001年より、大型トラック「スーパーグレート」のショートキャブ車に、オプションでスーパーマルチルーフを設定しています。 その背景について、三菱ふそうトラック・バスの担当者は「荷物の量は維持しつつ、同時にドライバーを休息させるスペースを確保したいというお客様からの要望に応えるため、設定しました」 と話しています。 スーパーマルチルーフの2階寝室を利用するときは、運転席の踏み台にのぼり、寝室フロアを下から跳ね上げて内部に入り込みます。 2階にあがりフロアを閉めた状態にすると、大きな寝室が生まれます。このスペースには蓄冷式クーラーが設置されており、エンジンを停止しても冷風を送ることができます。 また一方で、2階を使わない通常時には、フロアを跳ね上げたままにもしておけます。 こうすることで天井を高くした超ハイルーフとなり、運転席空間に開放感が生まれるのです。 さらに、このスーパーマルチルーフはキャブとデザインが一体化されており、トラックの空力性能をより高める機能も備えています。 ちなみに、この三菱ふそうの「スーパーグレート」は2023年にフルモデルチェンジされ、フロントマスク部分のデザインが新しくなっています。