電車の車内が劇場に?「ことでんスリーナイン」出発進行
劇団メンバーによるガイドツアーも実施
「ことでんスリーナイン」は、専用の貸切列車で運行。仏生山駅を出発した列車は、滝宮駅までの30分間で前編を上演、滝宮駅では折り返しの約2時間の間に、ストーリーに絡めたまちあるきを楽しむ。登場人物の思い出をたどるオリジナルのまちあるきマップが配られるほか、劇団メンバーによるガイドツアー(別途有料)も実施。このまちあるきによって、物語をよりいっそうリアルに感じた後、帰りの列車で後編が上演される。 実は、同劇団は「まち」が持っている歴史や特徴を切り取り、その場で上演することによって、観光資源を生み出すことを得意としているのだ。「俳優自身が見つけた面白いスポットや、そのまちならではのグルメなど、遠方から来た方も地元の方も、新鮮な発見があると思います」(谷口さん)と話すように、「ことでんスリーナイン」には単なる演劇にとどまらず、地域おこしのお手伝いとして、再びここに来たくなる要素がいっぱい詰まっているはずだ。 「ことでんスリーナイン」は23日まで運行される。劇場で観るのとは一味もふた味も違う、鉄道とのコラボを満喫した後は、その街の美味しいもの・美しい風景を味わうのも良いかもしれない。詳細は「ことでんスリーナイン」の公式サイトまで。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。