ギャル漫画家・浜田ブリトニーの今。スピリチュアルにハマり1500万円の“開運投資”→「脱スピ」するまで
ヒヤヒヤすることに疲れてしまった
――一連の開運投資から得られたことがあれば、教えてください。 浜田:意外と思われるかもしれませんが、私は「脱スピ」をしたものの、スピリチュアルのすべてに意味がないとか、現在ハマっている人を馬鹿にしようとは思っていません。むしろ、人生のどん底を経験したとき、人間の力を超越したものに頼りたくなる気持ちは理解できるんです。ただ単純に、人生において良いことや悪いことが起きたときに、「このグッズのおかげだ」「パワーが落ちているんだ」とヒヤヒヤすることに疲れてしまったんです。だから当時のグッズは記念写真に残して、捨てることにしたんです。思い出は残して、ものは捨てる。それでまた明日も前を向いて生きていけると感謝して、進んでいくことに決めたんです。 ===== これは一世を風靡した人気漫画家の転落の物語以上の意味を持つ。少なからず浮き沈みを経験する誰にでも陥る可能性のある、依存の話だ。困ったとき、落ち込んだときに声を上げられれば、一番いい。けれども状況や立場によってはそれが叶わない。孤独という種が、次々に災難を発芽させる。負のスパイラルのなかで、いかに主体的に生き、そして客観的な視点を維持できるか。 本書を笑い飛ばせる人は、まだ幸福だろう。タイトルを見て心に何かが沈殿した人にこそ、届くといい。 <取材・文/黒島暁生> 【黒島暁生】 ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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