北の鉄路を考える② 「キハの笛は泣かせる」の巻 帰ってきた令和阿房列車で行こう 第三列車
H100形には、日曜の午後とあって地元の人はほとんどおらず、愛好家とおぼしき男性を中心に10人ほどが座っていた。
定刻通り13時29分、H100形はエンジンの音も軽快に発車した。通称・ヤマ線(長万部―小樽間)には、一昨年9月、引退した183系「ノースレインボーエクスプレス」で運行された臨時「特急ニセコ」号に乗車して以来だからそんなに月日は経(た)っていない。
なのに再訪したのは、ヤマ線の廃止問題が、とんでもないことになっている、と乗蔵さんに教えてもらったからだ。
あのときは、駅を出てすぐ左手の神社近くに大きな水柱が見えたが、今や影も形もない。当時は全国ニュースにもなって話題を集め、見物客も結構やってきていたが、噴出してからちょうど50日目でピタリとやんだ。そして忘れ去られた。
乗蔵さんと考えるヤマ線の未来は、明日のこころだぁ! (乾正人)