「光る君へ」吉高由里子も“平安再現”美術チームに衝撃&感嘆!褒美の扇「誰よりにも大切にされて(笑)」
◇「光る君へ」まひろ役・吉高由里子インタビュー(2) 女優の吉高由里子(36)が主演を務め、まひろ/紫式部役に挑んできたNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は明日15日、ついに最終回(第48回)を迎える。美術チームの奮闘も光った今作。吉高も絶賛してやまなかった。 【写真あり】異例の事前テストで完全再現された「曲水の宴」 美術部の技術結集 <※以下、ネタバレ有> 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛けた大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。 今回は戦国大河と異なり、“時代劇のNHK”でもノウハウが少ない平安大河。それでも美術チームが総力を結集し、1000年前の雅な世界を創り出した。 「最初に一番ビックリしたのは、実家(為時邸)ですね。“こんなに大きい池をセットの中に作っちゃうんだ。実際に水を張るんだ”と衝撃を受けました。今まで収録してきた他のスタジオだと考えられないですね。(道長と逢瀬を重ねた)廃邸の池や“曲水の宴”(水の流れのある庭園などで詩歌を詠む宴)の小川はまた全然違う雰囲気で、NHKさんの美術は凄いなと実感しました。朝ドラ(14年度前期『花子とアン』ヒロイン)の時にも思ったんですけど、何でもセットで作れてしまうので、ロケをしなくても済む分、スタジオでたくさん撮れるから、スケジュールがハードになる時もあるんですよ(笑)。作れなくてもいいのに、と思うことが何度かありました(笑)」 今年3月には琵琶湖ロケを行い、まひろが藤原為時(岸谷五朗)に同行して越前に向かうシーン(第21回、5月26日)を撮影。実際に“特注の舟”に乗り、湖上に出た。既存の木船を使用し、平安時代の雰囲気に合うよう加工。吉高が湖上で琵琶を弾くシーンもあったため、安全に細心の注意を払い、実験検証などを繰り返して製作に3カ月を要した。 「琵琶湖の舟もビックリしましたね。水面が凄く近くて、風もある中で琵琶を弾いたので、これが最初で最後の経験だろうなと思いながら(笑)、スリリングでした」 まひろは「源氏物語」を書き、一条天皇(塩野瑛久)と藤原彰子(見上愛)の仲を取り持つことに成功。藤原道長(柄本佑)から贈られた“褒美の扇”には、まひろと三郎が川べりで運命的な出会いを果たした幼き頃の姿が描かれていた。 小道具の“褒美の扇”を制作したのは“宮中の美”を今に伝える有職(ゆうそく)彩色絵師の林美木子氏。「桐塑(とうそ)人形」(※1)の重要無形文化財保持者(人間国宝)。番組サイドのオファーと期待に応えた。 「普段は関わらないような方々が協力してくださって、貴重な物を自分の手で持てる機会があるのは、大河ならではですよね。褒美の扇は、現場で何よりも誰よりも大切にされていました(笑)。セットや小物のおかげで、ドラマにより奥行きやリアリティーが生まれて、大きな力になったと思います」 【※1】桐塑人形:「桐塑」とは、桐の木の粉と糊を混ぜた粘土。江戸時代の雛人形などを源流とした伝統的な人形制作技術。 =インタビュー(3)に続く=