二人三脚で10年…「早田ひなというアスリートの快進撃を人生の楽しみのひとつに」女子の絶対エース育てた石田大輔コーチが退任
卓球Tリーグの日本生命は30日、パリ五輪の女子団体で銀、同シングルスで銅メダルへと早田ひな(北九州市出身)を導いた石田大輔コーチ(同市出身)が専属コーチを退任すると発表した。 ■五輪連覇王者「パリvs東京」金メダル比較に大反響【動画】 同社に入社する前から約10年。二人三脚で歩み続け、集大成と位置づけていたパリ五輪でメダルを獲得したことも踏まえ、一定の区切りをつけた形だ。悲願の金メダルを目指す次回の2028年のロサンゼルス五輪に向け、早田は新たな道へと踏み出す。 石田コーチは同社を通じて「早田ひなという素晴らしい才能を持った選手のコーチになって10年間。私の父と母が4歳の時から10年間大切に育ててきた選手のコーチを引き継ぐこと、ボールセンス、身体能力、そしてもっとも重要な努力する才能を持った選手であるということで責任を感じていましたが、毎日が楽しく刺激的であっという間の素晴らしい旅路だったように思います。その間、多くの方々に早田と、私までもあたたかいご声援を頂きまして本当にありがとうございました」と感謝を述べた。 左手首を痛めるアクシデントもありながら、初五輪だったパリ大会では目覚ましい結果を残した。「おかげさまでタッグを組んで10年目、私たちの集大成として覚悟を持って臨んだオリンピックという夢の舞台で2つのメダルを獲得する事ができました。金には届きませんでしたが、ひなのいかなる時もコツコツと積み上げていく努力に私からは金メダルを贈りたいと思います」と振り返る。 その上で五輪前後のエピソードも披露。「オリンピック前に『この10年間言ってもらってきたこと全てを頭にたたき込んでパリに行くので、逆に今まで私に言うかどうか迷ったりしていた言葉や場面があったとしてもオリンピックでは思い浮かんだこと全部を遠慮なく私に言ってください』とひなが言ってきました。それを聞いた時には本当に頼もしく感じましたし、最後のベンチコーチで絶対にひなを最高のメダルにまで引き上げる言葉をかけれるように自分自身の感覚も最大限まで引き出せるようにしようと思いました。実際にはアクシデントもあり初めてのことだらけの流れにはなってしまったオリンピックではありましたが1秒でも1グラムでも1センチでも無駄にしてはならないと私自身も最大の全力全開で望みました。そしてつかんだメダル、首からかけてもらった時にはこんな素晴らしい時間を過ごさせてもらったひなに感謝の気持ちでいっぱいになりました」。固い師弟の絆も表彰台への原動力の一つとなった。 次回のロサンゼルス五輪で頂点を目指すまな弟子に大きな期待も寄せる。「これからはこれよりもひな自身の感覚をより研ぎ澄ませて行きながら、究極体まで突き進んでもらいたいなと思います。皆さまにはこれからも変わらぬご声援をよろしくお願い致します。私自身はこれからは皆さんと一緒に『早田ひな』というアスリートの快進撃を人生の楽しみのひとつとしていきたいと思います。10年間本当にありがとうございました」と締めた。 日本生命は「このたび、2016年からオリンピックでのメダル獲得を目標に、専属コーチとして、早田ひな選手を担当しておりました石田大輔コーチにつきまして、パリオリンピック出場、シングルス・団体でのメダル獲得という、弊社入社前からの10年にわたって掲げてきた大きな目標を達成しましたので、早田選手の専属コーチを9月末をもって退任することをご報告申し上げます。石田コーチには昼夜を問わず早田選手のために尽力され、スポーツ界の頂点となるオリンピックで大きな目標を達成されたことを弊社としても大変感謝しております」とした。 【#OTTOパリ五輪情報】