パリオリンピック男子バレー 髙橋藍の覚悟「ギアを上げていく」「1点も逃さない」
勝ち上がる算段はついているようだった。 「これからは"負ければ終わり"の戦いが始まります」 マイクに向かって語る髙橋の表情は決然としていた。取材希望の多い選手は大勢の報道陣が群がるため、ステレオスピーカーを通し、声が録音できるようになっている。 「正直、予選ラウンドが"通過するべき"と、一番プレッシャーのかかるところでした。東京五輪では予選ラウンド通過が目標でしたが、今回は金メダルが目標に変わっているので、通過できたことが準々決勝以降につながってくると思います。しんどく難しい戦いが続くはずで、今日みたいにセットの最初からリズムを掴まれるんじゃなく、こっちが掴んでいかないと。出だしからフルパフォーマンスで、"1点も逃さない"という自分たちのバレーを展開する必要があると思います」 8月5日の準々決勝。髙橋はさらなる変身を遂げる。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki