いかのおすし(1月9日)
クリスマス、正月とにぎやかな時間が続き、冬休みはあっという間に過ぎた。子どもたちは締めくくりの3学期。登校の足取りは弾んでいると願うばかりだが…▼学校が始まれば、親の心配事が何かと増える。日没が早く、雪が降れば足元が滑りやすくなる。事故などに遭わずに学校に着けただろうか。子どもが被害に遭う切ない事件が全国で続いている。いつ、どこでの備えは及ばず、なぜの答えが不明な例も少なくないから、心は休まらない▼登下校などの際、危険を感じた時に駆け込む「子ども110番の家」が減少している。県警によると、昨年度末時点の設置数は約3万5千カ所で、10年前に比べて3万カ所ほど減った。協力してくれる事業所や商店が廃業したり、日中に不在となる共働き世帯が増えたりしているのが要因との見方もある▼あす10日は「110番の日」。各署の警察官が学校などに出向き、自分で身を守る術を教える。子ども向け防犯標語「いかのおすし」は行かない、乗らない、大声を出す、すぐ逃げる、そして知らせる。回転するお店のお皿のそれと同様、よくかみしめ、頭の中に取り込んで。大人はしっかりと受け皿にならねばならない。<2025・1・9>