「和倉の足湯入っとるみたい」足を洗う看護師“足浴ナイチンゲール”能登で本格始動 未だ入浴できない人も
北陸放送
簡易の入浴施設の設置が進み、断水が解消されてもなかなか風呂に入れない事情を抱える被災者もいます。そんな人たちの衛生環境や健康状態を改善しようと、“足を洗う”看護師が奮闘しています。 【写真を見る】「和倉の足湯入っとるみたい」足を洗う看護師“足浴ナイチンゲール”能登で本格始動 未だ入浴できない人も 「どうも!よろしくおねがいします」 大勢の看護師を乗せた車両は15日午前2時に大阪を出発、8時間近くかけて石川県の穴水総合病院に到着しました。彼女たちは“足浴ナイチンゲール”と呼ばれています。 看護師 「(足が)かさかさですね。冬なので乾燥していて…しっかり洗って保湿してあげたらいい」 普段は関西圏で勤務している看護師が多い、足浴ナイチンゲールたち。日帰りで施術しているため現地での活動時間は限られ、この日の滞在時間はおよそ6時間でした。 看護師 「足、きれいです!お風呂はいってないけどきれい…乾燥はしてるね」 入院中の女性 「肌は若いときから案外きれいなの」 入院中の男性 「気持ちいいわ!和倉の足湯に入っとるみたい」 長引く避難所生活で体調を崩し、入院した穴水町の男性。新型コロナやインフルエンザなど感染症リスクのほか、列に並ぶ際の足腰への負担を考え簡易の入浴施設は利用できません。 看護師 「色も良くなりましたね」 入院中の男性「おお!色も良くなった」 ■医師「足は見落としがち、かなり重要」コロナ禍の教訓いかして やかんでお湯を沸かすのは陣頭指揮をとる医師、水野宅郎さんの役目。 水野クリニック 水野宅郎 理事長 「動ける人は今シャワーとかできる、自衛隊のおかげで。動けない人はどんどん歩けなくなる。介護、病気療養中の方は風呂に入る回数が減ったりフットケアの回数が減る」 コロナ禍では数多くのクラスター施設に足浴ナイチンゲールを派遣し、入浴できないコロナ患者の足を洗いました。15日は病院と避難所であわせて70人に足浴を行いましたが、地震のあと病院を受診できず足の爪が剥がれてしまった症例も見つかりました。 水野クリニック 水野宅郎 理事長 「震災の時も、コロナの時もそうだったが足は見落としがち、そこまで手が回らない。爪のケアをしっかりしないと歩けなくなる。爪が伸びているとか、入り込むだけで歩けなくなる。足を必ずチェックするのがかなり重要」 足浴ナイチンゲールは、クラウドファンディングで資金を募りながら今後も月1回から2回のペースで能登での活動を続けていく予定です。医療現場の人手が不足する中、衛生面をケアする取り組みは被災者の確かな支えになっています。
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