阪神 近本決めた!2戦連続サヨナラ勝利 2死満塁から逆転V2点打「気持ちいいです!」 ド執念チーム3連勝
「阪神2-1ヤクルト」(9日、甲子園球場) また、土壇場にドラマが待っていた。阪神は0-1で迎えた九回、4連続代打で2死満塁の好機をつかみ、近本光司外野手(29)の右前に落ちる2点適時打で2試合連続の逆転サヨナラ勝ちを収めた。今季5度目の3連勝で貯金3。チーム一丸でつかんだ劇的勝利。ここからさらに連勝街道を突き進もう。 【写真】珍しい!試合中に満面の笑み 坂本がエラーで出塁し、ベンチで手を叩く岡田監督 またも劇的なフィナーレが待っていた。近本の放った打球は右前に落ちる。ベンチから飛び出した仲間たちから受けた手荒い祝福。「気持ちいいです!」。お立ち台でも、とびきりの笑みがはじけた。 ドラマは九回に待っていた。幾度のチャンスにあと一本が出ず、迎えた1点を追う九回1死。守護神・田口から野口が四球で出塁。渡辺は右飛に倒れたが、原口が左前打でつないだ。2死一、二塁となり、続く坂本の打球は三塁線へバウンドした。ゲームセットかと思われたが、三塁・北村拓がファンブル。思わぬ形で2死満塁とし、近本に打席が回った。 「うわあ、回ってきたと思いました」。高ぶった気持ちをバットに乗せた。「流れだと思っていたので。何を待つかとか何をどう打つかっていうよりもタイミングだけで。自分がそういう流れに思い切って乗れるかどうか」。球種を絞らず、高め内角のスライダーを振り抜いた。 「ライトがあんまり前進じゃなかったので、『頼む、落ちろ』と思って」。思いは届いた。「『(原口)フミさん頼む』と思って。必死のパッチで走ってくれた」。二走・原口がヘッドスライディングでホームイン。昨年4月1日・DeNA戦以来、自身2度目のサヨナラ打。「ヒットになって良かった」。試合後は何度もその言葉を口にした。 万歳して、抱き合って、喜びを分かち合った原口の言葉が近本の胸の中にあった。試合前の円陣。「声出しでフミさんが『大きい波に乗れるチャンスが来てる』と言っていたので」。7日・DeNA戦でも甲子園で劇的逆転サヨナラ勝ちを収めていたチーム。今シーズンは苦しい試合も多いが、試合前まで2連勝中とたしかに波は来ていた。その波を逃すまいと放った一打に「勝ってよかった」とほっとした表情を見せた。 喜びに浸る中、岡田監督にも声をかけられた。ただ、近本は「歓声で何かは全然聞こえなかった」と苦笑い。それほどに甲子園はうれしい大歓声でお祭り騒ぎだった。「打席の中ですごく力をもらっているので今日もありがとうございます!明日からも全員で戦っていくのでよろしくお願いします!」。虎党への感謝の言葉でお立ち台を締めくくった。チーム一丸で大きな波に乗り続ける。 ◆近本のサヨナラ打 昨年4月1日、DeNA戦(京セラ)に続き自身2度目。この時は初回4失点から五回までに5-5と追いつく粘りを見せたが以降両軍決め手を欠き、延長十二回までもつれた。2死満塁でこの日7度目の打席に立った近本が見事中越えに殊勲のタイムリーを放った。