松本駅前の百貨店「井上」、本店を閉店へ 25年3月末で営業終了 パルコ・イトーヨーカドーの撤退表明に続き
百貨店の井上(松本市)は24日、松本市深志2の井上本店の営業を2025年3月31日で終了し、東筑摩郡山形村の大型ショッピングセンター「アイシティ21」と統合すると発表した。建物が老朽化して大規模な設備更新が必要となり、客に買い物を楽しんでもらうのが難しいと判断した。店舗の利活用は現時点で未定だが、市内で新たな事業展開を検討している。 【地図】百貨店・井上本店の場所
井上は1885(明治18)年、松本市大手2の「六九町」で「井上呉服店」として創業。百貨店として地域に根付き、1979(昭和54)年に現在地に移転。2000年にはアイシティ21を開業した。井上本店は築45年が経過して各種施設の大規模な設備更新が必要となっていた。
アイシティ21では百貨店業で培った「おもてなし力」に磨きをかけ、新たなテナントの導入などのリニューアル計画を進める。外商やネット事業、地域連携商品の開発なども展開し、「従来の枠組みや年齢層にとらわれない新時代のショッピングセンターを目指す」としている。
同社は井上本店の利用者や取引先などに不便や迷惑をかけるとしつつ、「今後の新たな事業の展開にご期待いただき、引き続きご愛顧を賜りますよう、よろしくお願いいたします」とコメントしている。
松本駅前周辺では松本パルコが25年2月末での閉店が決まっている。