田原総一朗が語る…中高年へのアドバイス「生きるとは何か?」を、しっかり真剣に考えて生きてほしい
日本人は正解のない問題にチャレンジする訓練ができていない
日本の教育については、他にも言いたいことがある。 宮澤喜一さんが総理大臣のときに、彼から教えてもらったことがある。日本の政治家は先進国の国際会議では、まったく発言ができないらしい。 「英語ができないからですか?」と聞いたら、そうじゃない。宮澤さんは、日本の教育に問題があると話していた。 日本では、小学校から大学まで、先生は正解のある問題を生徒に出す。そして、生徒は決まっている正解を答えなければいけない。ところが、先進国の国際会議で正解なんてない。正解のないことを話し合わなければいけない。教育の段階で、日本人は正解のない問題にチャレンジする訓練ができていないから、国際会議で発言ができないんだね。 42歳まで勤めていた東京12チャンネルで、僕は正解のない問題にチャレンジしていた。 テレビ東京といえば、今はしっかりしているけど、僕のいた頃は三流のテレビ局。“番外地”と言われていたところ。そんなテレビ局で視聴率を取るためには、とにかく日本テレビやTBS、NHKができないことをやろうと考えた。 ただ、まともに勝負をしたって、“番外地”が勝てるわけがない。そんな答えのない問題に対して、僕は「前例のないことをやろう」って考えた。学生運動から派生したフリーセックスの団体に取材したりね。女性メンバーから求められた性行為にも、撮影と一緒に応じたよ。このことを、昔、水道橋博士に「田原さんは日本初のAV男優なんです」なんてイベントで言われたな(笑)。前例にとらわれたくないのは、この頃から変わらないのかもしれないね。 田原総一朗(たはら そういちろう) 1934年生まれ。滋賀県出身。1960年に早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年に東京12チャンネル(現在のテレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーとなり、87年4月スタートした『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)では、長年、司会を務める。近著に政治事件の真相、重要人物の素顔、社会問題の裏側、マスコミの課題を、自身の激動の半生とともに語り尽くした『全身ジャーナリスト』(集英社)がある。 THE CHANGE編集部
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