ハリス氏の「短距離走」、最初の仕事は支持固め-民主党結束図る
(ブルームバーグ): 米民主党には時間がなく、党内の緊張が高まっている。党の大統領候補としてハリス副大統領(59)への支持を固めようと21日に動いた民主党議員も多かった。
バイデン米大統領(81)は2024年の大統領選から撤退し、ハリス氏を党の大統領候補として支持すると表明。民主党全国大会(DNC)を数週間後に控え、バイデン氏の決断を受けたハリス氏最初の仕事は、党内での自身への支持取りまとめだ。
ハリス氏、民主大統領候補指名勝ち取る意向-バイデン氏が選挙戦撤退
バイデン氏はワシントンで50年間にわたり培ってきた人脈と関係性を生かすことができず、トランプ前大統領との争いから身を引くよう求める声の広がりを食い止めることができなかった。17年に上院議員になったばかりのハリス氏にとって、大統領候補としての支持固めはさらに困難なことかもしれない。
無駄にできる時間のないハリス氏は支持を広げようと21日にさまざまな民主党議員に電話をかけた。
同氏の盟友ラフォンザ・バトラー上院議員(カリフォルニア州)はインタビューで、「短距離走だ」と述べ、ハリス氏が自らの声明で述べたように民主党大統領候補としての「指名を得る準備ができていることを知ってもらうために電話をかけている」と明らかにした。
今後数週間の戦略は決まっていない。民主党にとって最も喫緊の課題の一つは、副大統領であるにもかかわらず、米国を動かしてきた政治ドラマの脇役に甘んじてきたハリス氏の人物像を国民により深く理解してもらうことだ。共和党はハリス氏を悪役として見せようとするだろう。
党内の見方
ハリス氏はキャリアの大半を検事として過ごし、16年に上院議員に当選する前はカリフォルニア州司法長官を務めた。初の女性副大統領として歴史に名を残したハリス氏は、大統領に選出されれば再び歴史にその名が刻まれることになる。
民主党内でハリス氏支持を盤石なものにするか、反対勢力を形成するかという点で強い立場の連邦議会の議員らは、自分たちの政治的運命を同氏の立候補にどれだけ密接に結び付けることができるかを見極めている。