藤井八冠「実感ないがうれしい」 将棋全タイトル独占、一夜明け
将棋の第71期王座戦5番勝負で勝利し、史上初の全8タイトル独占を達成した藤井聡太王座(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=が12日、タイトル奪取から一夜明けて京都市で記者会見し、「八冠に挑戦できたのは貴重な機会。まだまだ実感湧かないが、うれしい」と喜びを語った。 花束を贈られ、「ありがとうございます」と笑顔で写真撮影に応じた藤井八冠。昨夜は部屋に戻り、対局を軽く振り返って普段通りに眠ったという。 今シリーズは、4連覇中だった永瀬拓矢前王座(31)に挑んだ。強者を相手にも深い読みと的確な指し手を披露、対戦成績3勝1敗で王座をつかみ取った。 1996年、羽生善治九段(53)が7タイトル時代に全冠制覇を達成。2017年に叡王が加わり、過去最多の8タイトル戦となってから初の全冠独占で、羽生九段の記録を上回ることになった。 永瀬前王座とは定期的に練習将棋を行う仲。今シリーズについて、藤井八冠は「第3局と第4局は苦しい将棋で逆のスコアでもおかしくなかった。幸運だった」と話した。