コーヒーの香り漂うカフェ文化発祥の地 メルボルン最古ロイヤルアーケード
初めてオーストラリアに行ったのは今から12年前。シドニーを中心に回った撮影だったので、ここに滞在したのはわずか1日。記憶に残っているのは、波打った屋根が夕日に照らされたサザンクロス駅。移動の慌ただしさから、ほっと一息ついたホテルの窓から見えた風景だ。 英国のエコノミスト誌の調査部門で「世界で最も住みやすい都市」に7年連続で1位に選出されている街、オーストラリアのメルボルン。昨年日本からの直行便も増え、観光でも注目されているという。“世界一住みやすい街”とは一体どんなところなのだろうか。あれから12年、そんなメルボルンの街を再び旅した。
近代的な建物と19世紀ビクトリア様式の建物が交錯するメルボルン。大通りから建物と建物の間を抜けるレーンウェイと呼ばれる路地には石畳が敷かれ、テーブルが並ぶ。人と人がやっとすれ違えるほどのビルの谷間にもそんな場所が存在したりする。
両脇にはカフェやレストランが軒を連ね、どれも個性的な佇まい。コーヒーのいい香りが漂う通りは、午後3時になるがどこも満席に近い状態。カフェ文化発祥の地と言われるメルボルンらしい光景だ。
レーンウェイとともに大通りと大通りを結ぶアーケード街。ロイヤルアーケードにはカフェやお菓子屋、ブティック、ジュエリーショップなどが並ぶ。1870年オープンという長い歴史があり、その建物自体がナショナルトラストにより保護されている。また異国を思わせるエレガントな空間である。 ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回」の一部を抜粋しました。(つづく) (2018年3月撮影・文:倉谷清文)