【広島の無失点勝利を支えた日本代表GK大迫敬介が得た自信と、対面する磐田GK川島永嗣から学んだこと(1)】意識的な練習が実ったクロス対応……「はっきりしたプレーを出せた」
ホームのディオンピースウイング広島でジュビロ磐田に2-0で勝利したサンフレッチェ広島。前半に相手のミスからFWピエロス・ソティリウが目の覚めるようなシュートをゴール右に決めると、後半にも厚みのある二次攻撃から東俊希の左クロスに反応したソティリウが追加点を奪った。日本代表にも選ばれているGK大迫敬介は安定したクロス対応などでチームを支えて、後半アディショナルタイムには古川陽介の至近距離からのシュートを防いで、無失点勝利に導いた。 ■【画像】浅野拓磨が来場! 広島戦に来場したエディオンピースウイング広島での「広島OB欧州組2ショット」■ 2節前に、京都サンガを相手にアウェーで5-0と大勝したが、ここまで優勢に試合を進めながら、もったいない失点で勝点を失う試合が多く、大迫もクロス対応のミスなどで、最後の砦になりきれない試合が続いていた。そうした中で最後の見せ場まで、的確なポジショニングや相手の長身FWマテウス・ペイショットに頭で合わせさせないクロス対応など、非常に安定したプレーが目を引いた。 「ここ数試合は自分が不甲斐ないプレーで、チームに迷惑をかけていたので。その1つがクロスということで。この期間もクロスを重点的に練習しましたけど、その成果が出たと思いますし、出る出ない、はっきりしたプレーを出せたと思います」 そう振り返る大迫は「常に相手の位置を把握して、どこを狙っているのかで必要なポジションを細かく変えるように意識しましたし、それが出る出ない、はっきりした判断に繋がった」と語る。この日の内容からすれば、これまで勝ちきれなかった試合と比べてもタフで、磐田の前向きな攻撃に広島がわのディフェンスが難しい対応を迫られる場面も少なくなかった。それでも最後はやらせない、シュートを打たれても枠内に飛ばさせない対応を続けられたのは、間違いなく大迫の存在が大きい。
■「やっと自分たちのサッカーが表現できて」
そうしたベースの上に、最後に巡ってきたセーブ機会で、しっかりと仕事をして見せた。大迫はそのシーンについて「やっぱりホームで失点が続いてましたし、結果も出ていない中で、2-0で終わるのと2-1で終わるのでは自分自身の気持ちも違いますし、体を張って守るところは自分の使命だと思っている」と主張した。 磐田の横内昭展監督も「順位表を見てびっくりした」と語っていたほど、広島はJ1でも最高レベルの強度を発揮しながら、なかなか勝ちきれない試合が続き、なかなか結果がついてこなかった。GKの大迫も、その責任を強く感じていた一人だっただけに「やっと自分たちのサッカーが表現できて、結果につながったので。これが自分たちが本来持ってる力なので。やっとリスタートできた気持ちで」と安堵の表情を浮かべていた。 (取材・文/河治良幸) (後編へ続く)
サッカー批評編集部
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