米下院つなぎ予算案否決、政府機関の一部閉鎖も…トランプ氏とマスク氏の反対表明で一変
【ワシントン=淵上隆悠】米下院は19日、来年3月中旬までの政府資金を確保する暫定予算(つなぎ予算)案を賛成174、反対235で否決した。現行のつなぎ予算は20日深夜(日本時間21日午後)に切れるため、このまま予算措置がなければ政府機関が一部閉鎖する恐れがある。
共和党が過半数を握る下院は当初、与野党指導部が合意した案を審議する方針だったが、18日に共和党のトランプ次期大統領と、新設される「政府効率化省」のトップに就く実業家のイーロン・マスク氏が反対を表明し、状況が一変した。
トランプ氏は、来年1月までと決まっている政府の借入金の限度を定めた「債務上限」の適用停止措置を延期することなどを求めた。政権発足後、掲げている大型減税の実現に向けて障害をなくす狙いがありそうだ。
トランプ氏の要求を受け、共和党のマイク・ジョンソン下院議長は19日、債務上限の停止措置を2年延長する内容を盛り込んだ新たな案を提案したが、投票した民主党議員のほぼ全員と、共和党内でも特に財政規律を重視する財政保守派ら38人が反対に回った。