2024年上半期に世界で最も聴かれたボカロ曲は?
ボカロP「きくお」が、ワールドツアー【Kikuo World Tour 2024-2025 “Kikuoland-Go-Round”】のヨーロッパ編を2025年1月よりスタートします。同ツアーは2024年7月の東京公演を皮切りに、これまで中国、南米、北米、オーストラリアを回ってきました。 2024年上半期のビルボードジャパンのグローバルチャートでも、ボーカロイド楽曲が世界各国で上位にチャートインしました。下記は、世界で聴かれている日本の楽曲をランキング化した“Global Japan Songs Excl. Japan”の上半期チャートから、ボーカロイド楽曲を抜粋したものです。 ◎2024年上半期“Global Japan Songs Excl. Japan”ボーカロイド楽曲トップ10 ※カッコ内は発表年 1位「少女A」椎名もた(2013) 2位「ラビットホール」DECO*27(2023) 3位「ロストアンブレラ」稲葉曇(2018) 4位「愛して 愛して 愛して (feat. 初音ミク)」きくお(2015) 5位「しう」MARETU(2019) 6位「しかばねの踊り (feat. 初音ミク)」きくお(2013) 7位「KING」Kanaria(2020) 8位「メズマライザー」サツキ(2024) 9位「ガッチュー!」Giga(2023) 10位「ラグトレイン」稲葉曇(2020) 集計期間:2023/11/24~2024/5/23 日本国内のボカロチャート“ニコニコ VOCALOID SONGS”の上半期トップ10と被っている楽曲は、DECO*27「ラビットホール」と、サツキ「メズマライザー」の2曲のみでした。また2024年に発表された楽曲は「メズマライザー」のみで、グローバルでは旧譜が根強い人気を見せていることがわかります。 図1()は、グローバルで音楽データを分析できるツール「CONNECT」で抽出した、上位5曲のストリーミングの国別比率のグラフです。2024年上半期にバズを生んだ「ラビットホール」以外は、日本よりもアメリカの割合が高く、さらに南米・東南アジア諸国でボーカロイド楽曲が定着していることが見て取れます。これらの地域が、各楽曲のロングヒットを後押ししています。 なお「ラビットホール」の国別トップ5は、日本、アメリカ、韓国、フィリピン、インドネシアで、アジア諸国が上位を占めました。今年発表された「メズマライザー」や、ニコニコ VOCALOID SONGSで上半期首位を獲得した吉田夜世「オーバーライド」(2023)の国別上位にも、台湾、タイ、ベトナム、マレーシアなどアジア諸国が並んでおり、直近の楽曲ほど、アジアの割合が高くなる傾向が見られました。すでに世界各国で一定の支持を集めているボーカロイド楽曲ですが、今後はアジア全域でさらなるリスナー増加に期待できそうです。 ※本記事は、ビルボードジャパンとルミネイトのメールマガジンにて配信された内容を加筆・修正したものです。グローバルで音楽データを噴石できるツール「CONNECT」の詳細およびメールマガジンの登録は下記ページをご確認ください