魔法使いたちと賢者の軌跡を、生演奏に乗せて振り返る 『魔法使いの約束』オーケストラ音楽祭~series collection~が開幕
株式会社colyより配信されているスマートフォン向けアプリゲーム『魔法使いの約束』。現代から魔法の世界に召喚された主人公が、<大いなる厄災>と戦う21人の魔法使いの賢者として世界を救うために活躍する物語が人気を呼び、2019年のリリース以来700万ダウンロードを超えている人気作だ。舞台作品も魅力的なストーリーと楽曲、華やかな衣装で多くのファンの心を掴んでいる。 【全ての画像】舞台『魔法使いの約束』 オーケストラ音楽祭 ~series collection~の模様 舞台『魔法使いの約束』の楽曲をオーケストラの生演奏に乗せて届ける音楽祭の第二弾、「祝祭シリーズ」・「エチュードシリーズ」の楽曲を奏でる音楽祭が、2024年12月27日(金) より開幕した。 本作のMCのような立場を務める役人・ドラモンド(平川和宏)による紹介のもと、オーケストラの魅力が伝わる優雅な楽曲からスタート。「思い出のエチュード」、「NEW DAYS」で魔法使いたちが集合したばかりの頃の初々しさを描いた後は、初めての任務を描いた「エチュードシリーズ」の曲たちが繰り広げられた。 西の国が中心となる楽曲は、自由で華やかな雰囲気にピッタリのジャズが多め。オーケストラの中でも金管楽器や低音・パーカッションがメインとなり、オシャレな音楽を奏でる。中央の国は威厳や歴史を感じさせる弦楽器のメロディが美しいクラシック、北の国はドラマチックなものからちょっとお茶目なものまでキャラクターたちの二面性が見える楽曲、東の国は重い覚悟や荘厳さ、美しさを感じさせる曲、南の国は明るく温かく、優しい空間の中に切なさが滲む楽曲……と、中心となる国やキャラクター、ストーリーに合わせた曲調の変化が楽しい。しっかりと緩急がついており、飽きのこない構成になっている。 エチュード公演の数多くの楽曲から数曲ずつの抜粋だが、オーケストラの生演奏により、魔法使いたちと賢者(大森夏向)、チェーリオ(鈴木壮麻)、コリン(チャンへ)といったキャスト陣の歌唱が深みを増して広がっていく。スクリーンに公演映像が映る場面もあり、シリーズファンは公演を思い返しながら魔法使いたちと賢者の軌跡を辿ることができるだろうと感じた。 第二幕は、同じくそれぞれの国が中心となる「祝祭シリーズ」の楽曲で構成されている。各国の魔法使いの個性や特徴が色濃く描かれているシリーズということもあり、さらに国ごとのカラーが見える楽曲ばかり。それに合わせて、オーケストラもさまざまな楽器が主旋律を務め、多彩な楽曲を奏でていく。歌唱と演奏がお互いに高め合って重厚なハーモニーを生み出している場面もあれば、オーケストラによる音を純粋に楽しめるインストゥルメンタルもあり、非常に贅沢な気分に浸ることができた。 耳で聞いて楽しいのはもちろん、華やかな衣装や魔法使いたちを演じるキャスト陣が見せる芝居、可愛らしいマスコットキャラクターを操ったりそれぞれの国で暮らす人々を演じたりと縦横無尽の活躍を見せるPOW-ers(パワーズ)など、見応えも充分だ。 ステージ上にオーケストラがいるため動き回ることができるスペースは少なく思えるが、キャラクターによっては大きな武器を振り回したりアクロバットをしたりと、ストーリー公演と変わらないアクションを見せており、非常に華やかで贅沢な空間となっている。 生演奏ならではの迫力あるセッションにより、改めて楽曲の魅力をじっくりと味わうことができる本作は、12月27日(金)~12月29日(日) まで東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで上演。千秋楽の29日(日) 18:00公演はDMM TVでのライブ配信+ディレイ配信も行われる。 取材・文/吉田沙奈 <公演情報> 舞台『魔法使いの約束』 オーケストラ音楽祭 ~series collection~ 日程:2024年12月27日(金)~29日(日) 会場:東京・TACHIKAWA STAGE GARDEN