「通勤手当がないので…正直きつい」「県が補助を」 沖縄のバス2社が値上げ 高齢者ら嘆きの声
燃料費高騰などを理由に、琉球バス交通と那覇バスの路線バス運賃が4月から引き上げられることになった。「何もかも高騰して大変」「県が補助をしてほしい」。沖縄県内のバス利用者からは、嘆きが漏れる。半面、増便や利便性向上に期待する声もあった。 【写真】琉球・那覇バス、4月1日から運賃値上げ 那覇市外線は初乗り160円→190円 市内線は240円→260円 通院のためバスを待っていた豊見城市の60代女性は「沖縄ではバスが重要な公共交通だ」と指摘し「利益よりも市民の利便性を考えてもらいたい。毎回、送迎を子や孫に頼むのも迷惑になってしまう」と話した。 清掃員のアルバイトのため、バスを週5日利用しているという那覇市の70代男性は「年金だけでの生活は苦しい。通勤手当がないので数十円の値上げでも正直きついし、時給が下がるようなもんだ」と肩を落とした。 新垣桂子さん(73)は「県に少しでも補助をしてもらいたい」と要望する。子育て世帯の通学定期の割引率が引き上げられたことに触れ「定年退職者も収入源が減り生活が大変。年寄りにも割引を検討してほしい」と訴えた。 家から那覇に出るまで1日に数便しかないという岩本竜一さん(42)=糸満市=は、ガソリンも値上がりしていてバス会社も大変だと理解を示す。その上で「値上げの効果で少しでも便数が増え、Suica(スイカ)と連携するなど利便性が上がれば」と期待した。(社会部・垣花きらら)