春節2015 香港の正月を堪能する(4完)── 香港を彩る23888発の花火
20日午後4時あたりから、ヴィクトリア・ハーバーの海岸線沿いの通りには、ひと目花火を見ようと待っている人たちがいた。各々カメラの三脚を構えていたり、ピクニックシートの上で談笑したりしていた。
春節の花火は午後8時から始まり、23分間の間に旧正月らしい中国特有の音楽に合わせて、合計23888発がヴィクトリア・ハーバーに浮かぶ3隻の船から打ち上げられる。 8という数字は広東語の「発」と、3という数字は「財」と発音が似ており、儲かるという意の「発財」を連想させるところから縁起が良い数字とされている。花火の数に8の数字が多いのはこのためだろう。
午後7時半、巨大ショッピングモールハーバーシティーの屋上では、花火を見る人々で溢れて返っていた。チケット制のこの場所でも人が敷き詰められているようにいっぱいだったのだから、先ほどの海岸線沿いの通りにも想像を超える人たちが押し寄せているだろう。
「3、2、1、0!」。花火のカウントダウン。0と同時に辺りを照らすように一斉に花火が打ち上げられた。前の花火が残した煙が消える間もなく、次々と速いペースで光の花が咲く。ちなみに東京・隅田川の花火は1時間半を掛けて約20000発なので、香港の花火がいかに集中して打ち上げられているかが分かる。 この日の湿度は80%ほどと高いためか、少し靄がかかっていたのが残念だったが、香港島の様々に光り輝く高層ビルをバックに見る花火は絶景だった。
1年の運を競馬で試す
香港の人たちは、1年の運を競馬で試すらしい。2月21日滞在最終日、この日、新年の初レースが行われるシャティン競馬場には9万1000人もの人が来場した。新聞と鉛筆を持ってどの馬に賭けるかを真剣に考えている人がたくさんいた。その光景はどこの国も同じだ。 沙田車公廟で買ったと思われる風車を持っている人もちらほらいる。より運を味方につけようという明白な思いを感じた。ゴールには「農歴新年賽馬日 Chinese New Year Raceday」と書かれたアーチが掲げられていた。 賭け方はほとんど日本とほとんど同じようだが、1着から4着の馬を順番関係なく当てる4連複など、よりバラエティーに富んでいる。自分も新年の運を占う意味で馬券を買ってみた。10香港ドル(日本円で150円程度)から買うことができる。どの馬が良いかなどまったくわからないので適当だ。