春節2015 香港の正月を堪能する(4完)── 香港を彩る23888発の花火
日本では出走前にファンファーレが鳴る風景をよく見るが、香港の競馬は、そんな演出もなく、出走時間きっかりに急に始まる。ゴール前の最終ストレートに馬が来るまで巨大スクリーンを見ていないと状況が分からない。
馬が視界に入ると観客たちは自分が賭けた馬を興奮しながら一層声を張り上げて応援している。多くの人の残念がる様子が伺えた。自分もそのうちの一人だ。 あまりギャンブルをしない自分にとって、競馬自体初めての経験だったが、正月に自分の1年の運を馬に託すという気軽な感覚でやるのは良いと思った。何より運が良いと、懐が暖かくなるというのはわかりやすい。
日本の正月、香港の正月
「恭喜発財(コンヘイファッチョイ)」という言葉や沙田車公廟での風車に象徴されるように、香港の正月は「お金」と切り離せないようだ。運とかお金とかを、日本人よりも大事にする。だけどお金に対するいやらしさはない。神様とか言い伝えとかを心から信じて、それに頼る。
滞在中、商業施設で派手なバーゲンセールを目にすることはなかったが、日本の正月が厳かな雰囲気を漂わせているのに対して、香港の正月は、パレードに見られるようにカラフルでにぎやかだった。 初めての香港だったが、今度は旧正月の時期ではなく、何もない普通の時期にも行ってみたい。なにより、日本と香港、異なる2つの正月の風習を1年に2度も味わえるのは何とも贅沢な気分だ。