韓国・大統領と国防相の「代行体制」、危機対応での意思決定に懸念
【12月20日 KOREA WAVE】韓国の非常戒厳宣布の影響で、韓国軍の統帥権を持つ大統領をはじめ、国防相や軍主要職が「代行体制」で運営されている。この状況下では法律上、軍統帥権は正常な行使が可能であるものの、緊急時に「責任ある決定」を迅速に下すことが難しいという懸念が続いている。 ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領に対する弾劾訴追案が14日に国会本会議で可決されたことで、ハン・ドクス(韓徳洙)首相が大統領権限代行を務めており、統帥権の空白は生じていない。国防・安全保障関連はすべてハン首相に報告され、通常通り進行している。首相が統帥権を代行する事例は2004年や2016年にもあったため、政府・軍としての経験は十分だ。 しかし今回は、キム・ヨンヒョン国防相が辞任し、キム・ソンホ次官が長官職を代行している。大統領と国防相の両方が代行体制にあるのは前例がない事態だ。さらに、戒厳司令官を務めていた陸軍参謀総長や特戦司令官ら、主要な軍指揮官も職務停止となっている。 専門家は、民主的正当性を持つ大統領ではなく任命職の首相が統帥権を行使することに負担が伴うと指摘している。さらに、ハン首相自身が野党から弾劾圧力を受ける状況も統帥権行使を難しくしている要因とされる。 韓国国防安保フォーラムのオム・ヒョシク事務総長は「代行体制では政策決定や指令が暫定的に維持されるが、その権威や重みは大統領や閣僚とは異なる」と述べ、危機時には迅速な意思決定が難しいと分析している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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