49歳で引退のバスケット界レジェンド折茂武彦への息子からの1000文字を超えるサプライズ手紙が泣ける
プロバスケットボールのBリーグの2019-20シーズンの年間表彰式「B.LEAGUE AWARD SHOW 2019-20」が8日、オンラインで行われ、今季限りで現役を引退した”レジェンド”折茂武彦(49、レバンガ北海道)が功労賞を受賞した。折茂を驚かせ、ファンを泣かせたのが、サプライズで読まれた大学3年生になる息子・佑飛さんからの1000文字を超える手紙。そこには折茂がアスリートとして父として果たしてきた人生そのものが詰まっていた。今後、折茂はレバンガ北海道の社長として、引き続きBリーグとバスケットボール界の発展に寄与していく。
誇りであり憧れであり自慢の父
感動のサプライズだった。NBA解説などを行っている中原雄氏の特別インタビュー、「折茂軍団」と称する7人の選手による座談会と盛りだくさんの内容で進んだ折茂の功労賞を称えるイベントの最後に息子、佑飛さんの1000文字を超える手紙が読まれた。 現役引退に際して、息子が父へ贈る手紙は、「お父さんへ。プロ生活27年間、お疲れ様でした。今もなおバスケットボール界を牽引し北海道の皆様から愛される父親が僕の何よりの誇りであり、憧れであり、自慢です」という言葉から始まった。 14年間プレーしたトヨタ自動車を離れ、2007年にレラカムイ北海道に移籍してからは、当時、小学生だった佑飛さんと共有する時間や機会も減った。それでも年に数回、ホームゲームに招待されたという。 「試合を見に行くと、観客席からコートで輝く父の姿が見えました。歓声を受け活躍しているお父さんの姿をじっと見ていると自分の父ではなく画面の中の人ではないのかと錯覚しそうになる時もありました」 息子から父への手紙は、こう続く。 「ですが、それは父への寂しさからではありませんでした。それは会った時は必ず遊びに連れて行ってくれ、家族の事を一番に考えてくれている事を僕は知っていたからです。だからこそ、僕にとって、コートに立つお父さんの姿を観られる時間は何よりも貴重であり、大切な物であり、偉大な父の姿を目に焼き付けようと思いました」 2011年にレラカムイ北海道が経営破綻し、当時のJBLリーグから除名された後は、折茂が中心となりレバンガ北海道を立ち上げた。スポンサー集めに奔走するなどの苦労をも息子は知っていた。 「レラカムイ北海道が経営破綻した時からレバンガ北海道が設立されるまでお父さんが色々なところに頭を下げ様々な事をやり繰りしていたことも知っています。きっと想像もつかない過酷さがあるのだろうと子供ながらに思っていました。でも息子の僕には辛い姿を見せないように努力していたのも何となく気づいていました。どんな過酷な状態でも、いつも気丈に振舞う姿を見て来たからこそ、僕はお父さんを誰よりも尊敬しています」 佑飛さんもバスケットボールをしていたが、「親が凄いと二世は大変だね」と、よく言われたという。 しかし、「僕は、何が大変なのかが分かりませんでした。こんなに偉大な父親を持って誇りであり、胸を張って自慢できる父親なのですから。感謝の気持ちでいっぱいです」という。 手紙は、父に成り代わり「第二の故郷」の北海道のファン、支援者への感謝の言葉がつづられ、最後にこう結ばれた。