THE YELLOW MONKEYは「夜店みたいなバンド」「非日常な夢」吉井和哉&廣瀬洋一に聞く
THE YELLOW MONKEYの吉井和哉(Vo)と廣瀬洋一(Ba)が、東京ドームでのライブやニューアルバムへの想いを語り、さらに「THE YELLOW MONKEYとは?」という質問に答えた。 2人が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)のワンコーナー「MUSIC+1」。音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナーだ。ここでは5月30日(木)オンエアの内容を紹介する。
10枚目のアルバムは「ちょっと古着みたいな」
THE YELLOW MONKEYは4月27日、東京ドームでライブ「THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2024 "SHINE ON"」を開催。吉井は「コロナ禍以降、初の歓声を聴けるライブだった」と、念願だった“声出し可”のライブを開催できたと喜びを語った。 サッシャ:またやりたくなっちゃいますね。 吉井:本当にやりたいですよ。 サッシャ:ねえ。ファンもまた観たいと思っていると思いますよ。 吉井:いつだろう(笑)。 サッシャ:たまにあるから、より特別感がありますよね。そんなライブも楽しみですがやっぱりミュージシャンと言えば音源も……ということで。 ノイハウス:10作目のアルバム『Sparkle X』が、5月29日にリリースされました。10作目となるとそういう想いも込めたりしました? 吉井:10ってけっこう大変だね。 サッシャ:10枚目までいける人はそんなにいませんからね。 吉井:ぶっちゃけ1回解散しているので。していなければ多分15枚目ぐらいだろうね。 サッシャ:年数的にはね。 吉井:まあコロナもありましたし、僕が個人的に病気になったりね。バンドも平均年齢もうすぐ60になろうとしているし。 サッシャ:信じられない。どこもその“かけら”がないです。 吉井:本当ですか? サッシャ:本当すぎます。 吉井:(笑)。大変だったけど、意外とアルバム制作はすんなりでした。 廣瀬:決められた期間でしたけど、原石となる感じがすごくデモ音源から感じ取れたので、それを1曲ずつ形にしていったところがすごくよかったのだと思います。 サッシャ:「すごく肩の力が抜けているけど気合が入っている感じ」がアルバムを通してしました。 吉井:うれしい、ありがとうございます。 サッシャ:正しい表現かわかりませんが。 吉井:めちゃめちゃ的を射ていて、ありがとうございます。いろいろなチャレンジやバンドとしての新しい試みというのは正直やってないです。今回、僕が曲を作るなかでも声が出せなかったので、声が出なかったので制限がいろいろあって、口笛で作ったり。 サッシャ:そうなんですか。 吉井:ギターメロで歌メロを作ったりしていたので、バンドが本来得意としている原点的なアンサンブルというか、そういう音楽のルーツをすごく全面的に出してみんなで作りました。逆にそれが新しくなったような気がします。 若い世代にも「自分たちはこういうバンドだ」と提示しやすいアルバムになったと話す吉井は、「ちょっと古着みたいな(アルバムになった)」とコメント。サッシャがアルバム収録曲の『復活の日』を特に気に入ったと切り出すと、吉井は「僕らの音楽シーンの中でも、同世代の方が亡くなったり病気になったりしているので、『命っていつまでもあるものじゃないぞ』という部分も入れてある。本当に、今のダイレクトな気持ちを落とし込めた」と語った。 サッシャ:吉井さんの心のなかもちょっと覗けた気がしました。 吉井:覗けちゃった(笑)? 確かにね。 サッシャ:こうやって長く続けているみなさんが言うと説得力も全然違うから、先輩に教えてもらった感じです。 廣瀬:歌詞を見ているとすごく開き直っているところももちろんあるし、あとさらけ出していますね。すごくそれを感じます。 サッシャ:アルバムを通してそこは感じます。 吉井:やはり声帯の病気になったので、ボーカリスト的には痛かったんです。でもこれはひとつの自分のこれからの人生に与えられた贈り物として、病気と仲よくなって乗り越えて、またみんなの前に立ちたいというのがすごくありました。 サッシャ:ポジティブ! 吉井:切羽詰まっていたので。東京ドームもしかりで、やっぱり切羽詰まるとすごく“ロック感”が出るんだなと。 ノイハウス:にじみ出てくるんですね。 廣瀬:ちょっとぎこちないぐらいの馬鹿正直な、そういうところってついつい出ちゃいますよね。