建立から100年超、汚れ目立つ 大隈重信の墓、CFで清掃・修繕
佐賀市赤松町の龍泰寺で21日、大隈重信(1838~1922年)と妻綾子の墓などの清掃、修繕が始まった。建立から100年以上たち、水あかの汚れなどが目立っていた。費用約70万円はクラウドファンディングで集めた。 【写真】大隈重信記念館 生き様、建学の精神を形に 龍泰寺は曹洞宗の寺で1563年に龍造寺隆信が建てた。大隈家の菩提(ぼだい)寺で、先祖の墓や岡山産の御影(みかげ)石「万成(まんなり)石」で作られた大隈と綾子の墓がある。今回は文字を修復したり、先祖の墓の傾きを直したりもする。 大隈の墓は東京都文京区の護国寺にもあるが、龍泰寺の雲山智行住職によると、佐賀の墓には遺髪が納められたという。 大隈は1917年5月に佐賀へ帰省。寺での講演で「私が今日の地位にあるのは、龍造寺鍋島、ことに直正公のおかげ」などと話したという。そして、本堂の建て替え費用の多くを出した。 大隈は外相時代の1889年10月に爆弾を投げつけられ、右脚を切断。その右脚は今、本堂の特注金庫に安置されている。 雲山住職は「クラウドファンディングを通じて全国の人に存在を知ってもらいたかった。大隈侯のお墓に手を合わせに来てほしい」と話している。【西脇真一】