すべての女性に“必ず”訪れる「更年期」。イライラ、動悸、不眠…続く不調は、何が原因で起きているのか？【産婦人科医が解説】
女性ホルモンの変化と人生
《40代は女性にとって大転換期 様々な不調に悩まされることも》 女性は、10代後半から30代後半においてホルモンバランスが安定し、生物学的には妊娠に適した成熟期と呼ばれる時期を迎えます。 その後、30代後半から徐々に卵巣の働きが低下し、45歳頃になると女性ホルモンの分泌が急激に減って様々な不調を感じる人が増えます。そして、50歳前後に多くの人が閉経を迎えます。つまり、40代は女性の体にとって大転換期なのです。 人生100年時代といわれる現代、閉経後の人生はまだ半分もあります。これからの人生も自分らしく生きていくために、女性ホルモンと自分の体との関係を知っておくことはとても大切です。 《月経回数の多い現代女性は 女性ホルモンに振り回されやすい》 昔の女性は、初経を迎えるのが遅く、妊娠・出産回数が多かったため、生涯の月経回数が50～100回だったといわれています。しかし、ライフスタイルが変わった現代では、昔に比べて排卵と月経の回数が格段に増え、生涯の月経の回数が450回を超えるとされています。 そのため、現代女性は月経周期による女性ホルモンの変動に心身が振り回されたり、子宮や卵巣などの病気にかかるリスクも高くなりました。
閉経前後の女性に起こる変化
40代からは女性ホルモンの分泌量が乱高下し、多くの人が不調に悩まされます。自分の体にどのような変化があるのか知っておきましょう。 【38～44歳】 卵巣の働きが少しずつ低下。更年期のような不調が起こる人も。 【45歳～】 女性ホルモンの分泌量が乱高下することで様々な不調が起こります。 【50歳前後】 多くの人が閉経を迎える。閉経の前後3～4年間が、不調のピーク。 【55歳～】 女性ホルモンの分泌がほぼ0に近づき、ゆらぎによる不調からは解放されます。
「更年期」はみんなが経験する時期のこと
《閉経の前後5年 合計 10 年間＝「更年期」》 閉経とは、卵巣が働かなくなった状態のこと。実際には12ヶ月間月経がこなかったとき、最後の月経を経験した年齢を閉経年齢としています。例えば昨年1月に月経があり、今年の1月まで月経がなければ、「昨年1月で閉経した」ということになります（40歳未満で閉経した場合、早発閉経といいますが、40代前半の場合はこれに該当せず閉経とみなします）。 閉経の前後5年、合計10年間のことを更年期といいます。例えば50歳で閉経した場合は45～55歳ごろが更年期となりますが、正確に自分がいつ更年期に差し掛かったのかは、閉経して初めて逆算できます。
