マー君 掴みはOK!NYマスコミも合格点
掴みはオッケーだ。 「ハロー! マイネーム・イズ・マサヒロ・タナカ 」 注目の入団会見で、開口一番、英語による自己紹介。「アイム・ベリー・ハッピー・トゥ・ビー・ヤンキー」と続けた。英語はダメだと言っていた田中将大だが、直前になって英語で冒頭のスピーチを入れることにしたと打ち明けた。 「この土地で野球をするからには、少しでも話した方がいいかなと思って。日本に来る外国人選手だって、日本語で話している。自分できることは、やった方がいいかなと思った」と、自分から殻を破って、ヤンキースタジアムの1200人収容のVIPルームに300人以上がつめかけた日米のメディアと対応した。 松坂大輔とダルビッシュ有は、入団会見では日本語だけで通した。最近では、アスレチックスに入団した中島裕之や、長谷川滋利が、エンゼルス入団時に流暢な英語で質疑応答までした例はあるものの、いきなりの英語のスピーチに、会場を埋めた米国メディアからは大きな拍手が沸き起こった。掴みは上々だった。 7年、約162億円という驚愕の巨大契約で入団した右腕が、初めて米メディアに対応する機会とあって、米メディアからは次々と質問が飛んだ。その核心にあったのは、「投資に見合った活躍ができるのか」、「違った環境で適応できるか」、というもの。その手のシビアな質問に対しては、率直ながら自信に満ちた態度で対応した。 「金額はヤンキース側の評価なので、僕がプレッシャーに感じる必要はない。感じようが感じまいがマウンド上でチームのために投げるのは同じ」。ヤンキーとしての最大の目標を問われ、間髪入れず「ワールドシリーズに勝つこと」と即答し、不安視されているボールやマウンドなどメジャーリーグの野球についての適応の仕方については「自分で適応しようという気持ちが大事なのかなと思う」と落ち着いて話した。 もちろん、アメリカらしく、質問は多岐に渡る。渡米後、食べたものは?の質問も飛び、「スーパーで買った寿司を食べた」と答えて、会場から、また笑いを取った。成田から推定2000万円とも言われるチャーター機を飛ばして、米国入りした反面、アメリカで最初に食べたものは、高級寿司店ではなく、パックのお寿司をつまんでいたというギャップと庶民性がメディアに受けた。