シリア反体制派、アサド政権打倒の準備は1年前に開始 指揮官が英紙に明かす
(CNN) シリア反体制派を主導する「シャーム解放機構」(HTS)の指揮官は英紙ガーディアンの取材に、反体制派がアサド政権を打倒する攻撃の準備を始めたのは1年前だと明らかにした。 【映像】アサド政権崩壊、反体制派の進攻を振り返る HTSの前身はシリア北西部を拠点とする国際テロ組織アルカイダの支部組織。指揮官のアブ・ハサン・ハムウィ氏によると、HTSは南部の反体制派と連絡を取り、統一戦線の結成を打診した。 ハムウィ氏はガーディアンに対し、シリア反体制派の「根本的な問題」は「統一的な指導部や戦場での統制に欠けること」だと指摘。この問題に対処するため、HTSは他の組織に合流を呼び掛けた。 「我々は敵を徹底的に研究した。昼夜を問わず彼らの戦術を分析し、そうした知見を駆使して自分たちの部隊を育成した」と、ハムウィ氏は振り返る。 ハムウィ氏によると、ゆっくりとではあるが、様々な反体制派は統一的な軍事ドクトリンを策定し、一つの同質的な部隊になっていった。 シリア南部に作戦室が設置されたことで、25の反体制派組織から来た指揮官が協調して、各自の動きを調整することが可能になった。 新結成された反体制派連合が攻撃の機会をつかんだのは11月後半。アサド政権の主要支援国であるロシアとイランが自国の紛争に忙殺されていたタイミングだった。 それから2週間足らずでシリア政権は崩壊し、アサド大統領はロシアへ脱出した。