神木隆之介、31歳で日曜劇場初主演 若きベテランが語る“挑戦”への覚悟「うれしい気持ちと同時にプレッシャーを感じた」<海に眠るダイヤモンド>
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)が10月よりスタートする。このたび、初めて歴史ある日曜劇場の座長、しかも一人二役という重責を担うことになった神木にインタビューを実施。自身が演じる役どころや、ドラマの注目ポイントなどについてたっぷりと語ってくれた。 【写真】印象ガラリ…ホスト役を演じる神木隆之介 ■これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント” 同作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。 戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいくと同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントだ。 脚本は野木亜紀子、監督は塚原あゆ子、プロデューサーは新井順子が務め、「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年、共にTBS系)などを手掛けたヒットメーカーたちが、完全オリジナル作品で初の日曜劇場主演に挑む。 ■昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ登場人物を演じるのは… 神木は、1950年代の端島に生きる主人公・鉄平に加え、現代の東京に生きるホスト・玲央の一人二役を演じる。 また、鉄平の良き理解者である兄・進平役で斎藤工、鉄平に思いを寄せる食堂の看板娘・朝子役で杉咲花、端島に突然現れた謎の女性・リナ役で池田エライザ、鉄平の親友でありライバルである賢将役で清水尋也、ある過去を抱える自由奔放な鷹羽鉱業職員の娘・百合子役で土屋太鳳が出演。 さらに、謎多き行動で物語をかきまわしていく婦人・いづみを宮本信子が演じる他、國村隼、沢村一樹、中嶋朋子、山本未來、さだまさしといった実力派俳優陣がストーリーを盛り上げる。 ■“日曜劇場主演“に対して「弱気な部分もありました」 「お話をいただいたときは、うれしい気持ちと同時にプレッシャーを感じました。日曜劇場というと最近では『集団左遷!!』(2019年、TBS系)に出演させていただきましたが、大先輩の福山(雅治)さんのように多くの経験を積み、表現者として培ったものがある方が主演を務める枠だと思っていたので、最初は正直弱気な部分もありました」 しかし、制作陣と会って話をしたことで安心できたと語る。 「野木さんや塚原さん、新井さんと直接お話しさせていただいたときに、皆さんの目が強い自信に満ちあふれていたんです。お三方の強い信念を感じ、この人たちについていけば大丈夫だなと前向きな気持ちになれました」 ■過去と、現代…2つの時代が並走する謎は「徐々に解き明かされていく」 しかし、高度成長期の1955年を生きる鉄平と現代の玲央。一人二役という設定には、正直驚いたと笑う。 「純粋にどういうこと?と思いました。特に軍艦島として知られる長崎県の端島を舞台にした過去パートは、僕が生まれる前の時代で経験したことのないことだらけ。端島は最大人口が5000人ぐらいだったそうで、取材したところによると誰もが顔見知りだったので、誰が誰とデートして、どうなったかも全員が知っていたらしいです。顔見知りの安心感もあれば、同時に息苦しさも感じる環境で、悩みも単純ではないはず。ですから、すごく繊細な表現が求められていくのだろうなと思いました」 そのような背景の中で、神木は真摯(しんし)に役と向き合っている。 「端島パートで演じる鉄平は元気で前向きなキャラクターで、アニメ『ONE PIECE』のルフィのようなイメージ。一方、現代パートの玲央は面倒くさいが口癖の無気力、無感動、無関心男で、キーワードは“堕落”。なので、鉄平とはしゃべり方も変えています」 実際に神木の芝居を見た新井プロデューサーも「とても同じ人とは思えない」と驚くほど見事な演じ分けをしているそうで、大きな見どころとなりそう。また、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、土屋太鳳など、神木と近い世代の俳優陣との共演にも注目だ。 「端島パートは同世代が多く、仲間がいっぱいいる!という感じで楽しいです。一方、現代パートでは宮本信子さんとどんなコンビになるのか、僕自身楽しみにしています。当時の端島に暮らし、時代に翻弄されつつ、駆け抜けた人々の人間ドラマに加え、今を生きる人々に寄り添った現代パートも見どころ満載です。2つの時代が並走する謎などは徐々に解き明かされていくそうなので、そこは僕も楽しみにしたいと思っています」 撮影=山田大輔/取材・文=及川静 ※「月刊ザテレビジョン」2024年11月号より