苫小牧市の岩倉博文市長（７４）が辞職する意向を固め、関係者に伝えていたことが、２２日までに明らかになった。岩倉市長は昨年１１月に出張先の韓国で倒れ、公務に復帰して以降も度重なる体調不良で入退院を繰り返していた。近く正式に発表するとみられる。 　一方、２２日午前に定例記者会見が開かれ、木村淳副市長は「２１日に岩倉市長と話し合い、病気の状況や治療の行方、今後の市長職務について話をした」と明かした上、「現時点で辞意を固めたとの受け止め方はしていない」などと述べた。 　また、岩倉市長の様子について、木村副市長は「きのう時点で入院する前の状態には戻っており、しっかり話もできていた」と説明。昨年１１月に韓国で倒れてから約１年がたつ中、２度の職務代理者を置いた状況も踏まえ、「また今回も入院し、今後の治療も含めて考えているのかなと思った」などと印象を語った。 　岩倉市長は、昨年１１月７日に出張先の韓国で、心室細動による不整脈で倒れ、今年２月１日からのリハビリ出勤を経て、同１４日に公務に正式復帰した。しかし、６月の市議会定例会後の同２４日から、肺炎や副腎機能不全などで入退院を繰り返し、自宅療養やリハビリなどを経て８月２８日から公務に復帰。さらに今月１２日から肺炎治療のため市内の医療機関に入院し、１９日に退院したばかりだった。 　岩倉市長は苫小牧出身、立教大卒。１９７４年に岩倉組土建（現岩倉建設）に入社。２０００年６月の衆院選で、道９区（胆振・日高管内）に自民党から出馬し、当時民主党代表の鳩山由紀夫氏に敗れたが、道比例代表で復活して初当選。３年余り衆院議員を務めた。０６年７月、前市長が不祥事により任期途中で辞職したことに伴う市長選で初当選し、現在５期目。