「103万円の壁」見直し、自公国の合意文書案に補正予算「年内成立」明記へ
自民、公明の与党と国民民主党は20日午後にも、国民民主が求める「年収103万円の壁」の見直し方針などを明記した政府の総合経済対策のとりまとめで合意する。経済対策の財源の裏付けとなる今年度補正予算の早期成立に向け、3党の政調会長が合意文書に署名する方向だ。合意文書案には、補正予算の「年内の早期成立を期する」との文言を盛り込むことが判明した。
政府は22日にも経済対策を閣議決定し、12月上旬に補正予算案を臨時国会に提出する方針だ。自公国3党の合意により、成立にめどがつくことになる。
合意文書案では、経済対策案に国民民主が求める「税制改正や来年度予算にも関わる事項が盛り込まれている」とした上で、「3党は今後とも合意事項の実現に向け誠意をもって行動する」と明記した。今後の税制改正協議や来年度予算案に向けて、与党側が引き続き国民民主の協力を得る狙いがある。
国民民主は、年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しと、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除を主張しており、19日の3党政調会長による会談では、いずれも今後の税制改正で協議していくとの方針を明記した経済対策案を与党から国民民主に示した。
これを受けて国民民主は20日午前に党の会議を開き、経済対策案について大筋で了承し、対応を浜口政調会長と古川元久税制調査会長に一任した。浜口氏は会議後、記者団に「(自公両党と)合意に向けた協議をやっていきたい」と述べた。
石破首相(自民総裁)は19日夕(日本時間20日未明)、訪問先のブラジル・リオデジャネイロで開いた内外記者会見で、「103万円の壁」対策を巡り「労働供給や税収にいかなる影響を与えるかは、私もよく認識している」とした上で、「各党の政調会長や税調会長の間で丁寧に協議を進めたい」との考えを示した。