センバツ高校野球 専大松戸、春切符に笑顔 更なる進化へ「心技体」(その1) /千葉
◇「よっしゃあ」喜び爆発 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、特別協力・阪神甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が27日開かれ、昨秋の県大会を制し、関東大会で準優勝を果たした専大松戸(松戸市)の出場が決まった。2年ぶり2回目となる吉報を受け、学校関係者は歓喜に沸き、選手たちは全国の舞台での活躍を誓った。3月10日に組み合わせ抽選会があり、同18日に開幕する。【近森歌音、柴田智弘】 ◇主将「歴史塗り替える」 野球部のグラウンド横にある会議室では、五味光校長と富山尚徳理事長が静かに選考委員会の様子を伝えるインターネット中継を見守った。 午後3時40分ごろ、出場決定校の発表が始まると室内は緊張した雰囲気に。関東・東京地区の代表として「専修大学松戸高校」と校名がアナウンスされると、五味校長は「やった!」と声を上げ、富山理事長と固く握手を交わした。 グラウンドでは、野球部員たちが落ち着かない様子で報告を待っていた。グラウンドに出た五味校長が、目の前を取り囲むように並んだ部員たちに「専大松戸高校がセンバツの出場校に選出されました。おめでとうございます!」と出場決定を伝えると、約40人の部員らは「よっしゃあ!」と喜びを爆発させ、「ありがとうございました!」と深く一礼した。 その後、グラウンドで行われた記者会見では、大森准弥主将(2年)が真っ先に「自分たちだけではここまで来られなかった。応援していただいた方々のおかげ」と周囲への感謝の言葉を述べた。 秋の関東大会では準々決勝、準決勝を逆転で勝ち上がるなど粘り強さがチームの持ち味だ。「ビハインドでも逆転する自信がある。最後まで諦めず、専大松戸の歴史を塗り替える戦いをし、優勝したい」と意気込みを語った。 一方、持丸修一監督は出場決定の一報を受け、「ドキドキしながら待っていた。正式に決まり、冷静に目標に向けてより一層いい練習ができる」と胸をなで下ろした様子。「自分が打てるボールが来るまで何本でもファウルで粘る。少ないチャンスでも粘って勝つような試合をしたい」と抱負を述べた。 専大松戸を含めてこれまでに4校を甲子園に導いてきた名伯楽も、1大会で2勝した経験はない。「ぜひ2試合勝ちたい」と笑顔を見せた。 ◇選手たちの決意表明 最速154キロ目指す エース・平野投手 センバツ出場の知らせを聞いた選手たちは喜びをかみ締めると同時に、それぞれの決意を新たにした。 最速151キロを誇るエースの平野大地(2年)は「率直にうれしい。チームの目標であるベスト8に向かって勝っていくことはもちろん、個人としてもセンバツ最速の154キロを目指したい」と意気込んだ。 捕手として守備の要を担う吉田慶剛(同)は「喜びと同時に『やらなくては』という気持ちになった。投手が輝けるよう役割を全うしたい」と笑顔を見せた。 昨秋の公式戦12試合全てに出場し、19打点をマークした中山凱(1年)は「甲子園に向けて成長するだけ。専大松戸は甲子園でまだ本塁打がないので、自分が初めて打ちたい」と力を込めた。 関東大会準決勝で決勝打を放つなど勝負強さを見せた上迫田優介(2年)は「自分の強みである足で勝利に貢献し、走攻守で活躍したい」と気を引き締めた。 ベンチ入りメンバーで最も小柄な体格ながら、強打者として存在感を放つ清水友惺(ゆうせい)(1年)は「小学生の頃から甲子園に出たいと思っていた。1試合に1本はヒットを打ちたい」。昨秋の公式戦で2本の本塁打を放つなど長打力が魅力の太田遥斗(2年)は「『選ばれたんだ』と実感した。5番バッターとして走者が還ってこられる打撃をしたい」と闘志を燃やした。 ◇最寄り駅周辺で特別号外を配布 専大松戸の最寄り駅である松戸市のJR北松戸駅や松戸駅では、センバツ出場決定を伝える毎日新聞の特別号外が配られた=写真。号外には「専大松戸に春切符」の見出しが躍り、通行人が次々に手に取っていた。