アートに触れてセンスを磨く、いまおすすめの展覧会4選。
絵画のコアに触れる、光と色と空間の実験。 『フランシス真悟 -Exploring Color and Space- 色と空間を冒険する』
ビーチや砂漠など起伏に富んだカリフォルニアの自然を体感し、両親をはじめ現代美術家に囲まれた青年期を過ごしたフランシス真悟。空間や光を新たなマテリアルと捉えるアートの突端に触れた彼は、人間の知覚と絵画における光や色を探究し、自然界や宇宙の崇高性に近づこうと試みてきた。本展では、蝶の鱗粉のような光干渉顔料が観る角度や光の反射で表情を変える代表『Interference』、青一色で塗り込められた『Blue's Silence』、果てしない空間を想像させる『Infinite Space』、コロナ禍の閉塞的状況で日記のように描かれた『Daily Drawing』など、初期作から最新作までを紹介。絵画のコアな冒険を続ける画家の作品世界を感覚に滑り込ませてほしい。 『フランシス真悟 -Exploring Color and Space- 色と空間を冒険する』 会期:開催中~6/9 会場:茅ヶ崎市美術館 エントランスホール、展示室1~3(神奈川・茅ヶ崎) tel:0467-88-1177 開)10:00~16:30 最終入場 ※5/3以外の金は19:30最終入場 休)月、4/30、5/7 ※4/29、5/6は開館 料)一般¥800 www.chigasaki-museum.jp
唯一無二の気品にあふれたエロティシズム。 『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO 』
1960年代以来、時代を牽引してきたレジェンドでありながらも常に進化し続けるイラストレーター、グラフィックデザイナー、宇野亞喜良。過去最大規模となる本展では、デザイナーとして仕事を始めた50年代の企業広告、60年代のアングラ演劇のポスターや児童書、近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、貴重な原画や資料等を余すところなく紹介する。たとえば70~80年代、過去の様式を求めるクライアントの仕事を抑制し、自身の表現スタイルを見直すために発表した作品群は、輪郭線を生かしつつ淡く着彩された裸婦像などリアリティのある肉体表現を特徴とするもの。唯一無二の気品のあるコケットリーとエロティシズムを纏うその世界に、大人の乙女心を震わせられるはずだ。 『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO 』 会期:開催中~6/16 会場:東京オペラシティアートギャラリー(東京・西新宿) tel:050-5541-8600 開)11:00~18:30 最終入場 休)月、4/30、5/7 ※4/29、5/6は閉館 料)一般¥1,400 www.operacity.jp