ドジャース・大谷翔平、〝珍〟先頭弾「踏んだかどうか分からなかったので…」 半信半疑走りのち〝逆走〟
【シカゴ(米イリノイ州)25日(日本時間26日)=山田結軌】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)はホワイトソックス戦に「1番・DH」で出場し、24号先頭打者本塁打を含む4打数2安打2打点と活躍。バットの先で捉えた一回の本塁打は打球速度93・8マイル(150・9キロ)で、大谷がこれまで放ったメジャー195本塁打の中で最も遅かった。打球の行方を気にするあまり、バットを持ったまま一塁を回り、ベースを踏んだか不安になって踏み直しに戻る珍しい場面があった。チームは4-3で競り勝ち、3連勝を飾った。 ゆっくりと歩を進めた。恒例の〝確信歩き〟ではなく、半信半疑で走り出した。一回、先頭打者で打席に入った大谷は、ホワイトソックスの先発右腕、フレクセンの72・9マイル(117・3キロ)の外角へのカーブに対応。下半身でためをつくって右手一本ですくい上げた打球は、右翼へフラフラと上がった。 「入ってくれたらいいな」 大谷は打球の行方を気にして、バットを右手に持ったまま、一塁を通過した。右翼手・ファムがジャンプして捕球を試みたが、打球はグラブをかすめて、ドジャース側のブルペンに着弾した。本塁打になったことを確認してバットを置くと、その後一、二塁間を〝逆走〟。一塁を踏んだか不安になり、念のため踏み直した。 「(フェンスを)越えてくれないか見ていて、バットを持ち過ぎたのでクレイトン(・マカラー一塁コーチ)に置いてけって言われて、(ベースを)自分で踏んだかどうか分からなかったので一応、戻りました」と苦笑いした。 ナ・リーグトップの24号ソロ。今季2度目で通算8本目の先頭打者本塁打は、大谷自身が「打感としては(バットの)先っぽの方」と振り返ったように、本塁打を確信するような当たりではなかった。打球速度93・8マイル(150・9キロ)は、自身が放ったメジャー195本塁打の中で〝最遅〟だった。本塁打の最速が118・7マイル(191キロ)を誇るパワーで、バットの芯を外してもオーバーフェンスさせた。巧みなバットコントロールで、31度の打球角度をつけた技術も光った。 9試合連続打点は球団記録に並び、同一シーズンでは殿堂入り捕手のキャンパネラが1955年にマークして以来、69年ぶりとなった。3-3の四回2死一、三塁では打球速度がこの試合で最も速い109・5マイル(176・2キロ)を計測したゴロで右前へはじき返し、勝ち越しの決勝適時打。この日の2打点でメジャー通算500打点まで「3」とした。