昨季戦力外から“復活”した選手のその後…成功例と呼べるのは誰? 来季こそ期待したいのは
救いは二軍で55試合に出場して打率.279、出塁率.355、長打率.429としっかり結果を残せたという点だ。元々バットコントロールの良さには定評がありながら、怪我で崩されることが多かっただけに、二軍とはいえ安定した数字を残したのはプラスである。また6盗塁をマークしているように、脚力も健在であるところを見せた。チームの外野は岡林と主砲の細川成也は固定されているものの、もう一つのポジションは流動的であり、左打者で長打が打てる選手が少ないというのも上林にとっては追い風である。キャンプからしっかりアピールして、来年こそは完全復活に期待したい。 実績はそれほどないものの、上林と同じくソフトバンクを自由契約となった選手で注目度が高かったのが増田珠(ヤクルト)だ。横浜高校では下級生の頃から中心選手として活躍し、2017年のドラフト3位で入団。しかし選手層の厚いチームの中でなかなか存在感を示すことができず、6年間の在籍で一軍では22安打に終わっている。ヤクルト移籍1年目の今シーズンは4月下旬に一軍に昇格。8月13日の中日戦では代打でホームランを放つなど、自身最多となる19安打、2本塁打を記録したものの、打率は.207とそこまで目立った結果を残すことはできなかった。 外野手としての能力は高く、二軍では9盗塁をマークしているように脚力もあるが、一軍ではなかなかそれを発揮しきれていないというのが現状である。冒頭でも触れた西川に比べると打撃も走塁もまだまだ劣っている印象は否めない。来年で26歳とまだまだ若さがあり、貴重な右打者だけに何とか打撃の確実性をアップさせて一軍定着を目指したい。 投手で来年が勝負のシーズンとなるのがソフトバンクからDeNAに移籍した森唯斗だ。長くセットアッパー、抑えとして活躍してきたが、近年は成績を落として昨年限りでソフトバンクを退団。DeNAでは先発で4試合、リリーフで10試合に登板したが、防御率は7.52と結果を残すことはできなかった。